淡路島に集結した世界各国のアーティストが繰り広げる国際的なパフォーミングアーツフェスティバル「Awaji Art Circus」。今年は10月4日から15日のうち8日間にわたって開催される。またこのイベントから生まれたパフォーマンスショー「相生の松」が、イタリアで開催されるアルテ・ラグーナ賞のファイナリストに選出された。
日本の国生みの島として古事記に登場する兵庫県の淡路島。この島を舞台に、2015年から地域活性化や文化創造・発展を目的に「Awaji Art Circus」は始まった。世界各国からさまざまなパフォーマンスを行うアーティストが集まり、淡路島をテーマに繰り広げられるオリジナルのコンテンポラリーサーカスショーが最大の見どころになっている。
今年のショーは、「Living Legends of Awaji Island~よみがえる淡路島伝説の世界~」と題され、国内外7つの国と地域から12組18名のアーティストが招かれる。淡路島の伝説や歴史、自然、動物などに焦点が当てられ、ビデオゲームのような形式でストーリーが展開。まるで主人公と一緒に淡路島を旅するようなステージが、臨場感あふれるアニメーションの動画と圧巻のパフォーマンスとのコラボレーションによって表現される。
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中でも注目したいのは、高さ10mの天井から吊るされた1枚の布を使って演技するというエアリアル・パフォーマンス(空中演技)。ほかにもアクロバット、バレエ、ジャグリング、バトントワリング、パントマイム、シルホイール(大きな輪を使った演技)、和太鼓といった多彩なパフォーマンスが、生演奏とともに繰り広げられる。
「Awaji Art Circus」のプログラムは劇場ショーだけではない。アーティストが淡路島にある9つの小学校を訪れてパフォーマンスを行う訪問公演や、淡路島の中学校・高等学校のジャズバンド部とコラボレートする特別公演なども予定。地域住民が各国を代表するパフォーマンスや伝統芸能を体感しアーティストと交流することで、淡路島における芸術文化の発展を促す狙いがある。
そして、最近のニュースとして話題になったのが、このイベントから生まれたパフォーマンスショー「相生の松」が第18回アルテ・ラグーナ賞のファイナリストに選出されたこと。同賞は2006年にイタリアで創設された現代美術の国際的なアワードで、さまざまなジャンルの芸術作品が参加する大規模なアートイベントとして知られる。
世界中から絵画、彫刻、写真、デザイン、アートパフォーマンス、デジタルアート、漫画といった多彩な分野の作品が評価され、ファイナリストに選ばれたアーティストには、ベネツィアの展示会場で作品を披露する機会が与えられる。
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「相生の松」は、2017年から「Awaji Art Circus」の芸術監督・脚本・演出を手掛けるコンテンポラリーダンサーのエレーナ・グラドコフスカヤ、ムーブメントアーティストのRikubouz、太鼓奏者の上田秀一郎によるオリジナルパフォーマンスで、伝統的な能の作品「高砂」にインスパイアされて創作された。
遠く離れた播州・高砂(現在の兵庫県高砂市)と摂津・住吉(現在の大阪府大阪市)の海岸にある2本の松の世話をする男性と女性を中心に展開。やがて結婚で結ばれた彼らの愛は、2本の松に神秘的な力をもたらし、これらの松は「相生の松」と呼ばれるようになる。
エレーナ・グラドコフスカヤとRikubouzという2人のダンサーによるユニークなパフォーマンスは、トリッキング、現代舞踏、ムーブメントアート、フィジカルシアターといった現代的な手法を使って伝統的な物語を再構築。上田秀一郎による日本の伝統音楽とともに披露され、独特の世界観を生み出す革新的なパフォーマンスであることが評価された。「相生の松」は11月16日にイタリア・ベネツィアで開催される展覧会のオープニングに登場する予定。
『Awaji Art Circus 2024 「Living Legends of Awaji Island~よみがえる淡路島伝説の世界~」』
開演期間:2024年10月4日(金)~6日(日)、11日(金)~15日(火)
開演時間:14時~ ※10月4日(金)のみ16時~
開演場所:旧淡路市立アソンブレホール(兵庫県淡路市岩屋2942-17)
料金:4800円(一般)、2000円(中高大学生)、1000円(3歳~小学生)
https://awajiartscircus.com/
https://artelagunaprize.com/edition-2024/