エリザベス女王の新銅像に「まったく似ていない」と批判殺到「これは侮辱!」「ミセス・ダウトの方が似てる」

  • 文:宮田華子
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@ahistoryinart - Xアカウントのキャプチャ画像

エリザベス女王(2022年9月8日没)が死去して2年。彼女の人生と功績を記念した銅像がイギリス・北アイルランドで製作され、9月6日に除幕式が行われた。

この銅像が、イギリス国内のみならず世界中で話題を呼んでいる。

 

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エリザベス女王の銅像の除幕式。背後に見えるのは、2021年に99歳で亡くなったフィリップ殿下(エリザベス女王の夫)の銅像(2023年製作)。@ANBorough – Facebookのキャプチャ画像。

アントリム & ニュータウンアビー地区(カウンシル/地方自治体)の委託により、アントリム城庭園の中に建てられたこの銅像。エリザベス女王と2匹のコーギー(犬)の銅像が、先に建てられた夫・フィリップ殿下の銅像と共に「一つの銅像群」となっている。

特にエリザベス状の顔部分に注目してほしい。「エリザベス女王の銅像」と知っていなければ「誰の銅像なのか分からない」というほど、女王にまったく似ていないのだ。

 


どなた様?

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うやうやしく除幕したものの… 開けてびっくり。@ANBorough – Facebookのキャプチャ画像。

アントリム & ニュータウンアビー・カウンシルは9月6日、公式Facebookアカウントに「女王陛下の威厳ある姿をとらえており、その優雅さ、不屈の精神、そして生涯にわたる公務への献身を反映している」と自画自賛的コメントを投稿。

しかしこの投稿の後、市民からの厳しいコメントが相次いだ。

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批判の嵐…。@ANBorough – Facebookのキャプチャ画像。

 「ひどい銅像」
「これはトリビュート(賛辞)ではなく、侮辱のよう」

と歯に衣着せぬ言葉を書き込む人もいれば、

「女王よりも、ミセス・ダウトの方が似ている」と映画のキャラクターを思い出した人もいたようだ。

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映画「ミセス・ダウト」の予告編。確かに面影があるかも…。

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実は批判を覚悟していた…?

SkyニュースやBBCの報道によると、同自治体は声明に下記のように記載。

「芸術は時に、多様な意見が寄せられるものだが、この銅像は実際に見たほとんどの人に温かく受け入れられたことを強調しておくことは重要だ」

自治体側も完成像を見て「これは…まずい…(汗)」と思ったのかもしれない。「多様な意見が寄せられる」可能性にあえて触れ、しかし「一般的には好意的な反応が多かった」と強調している。

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著名な美術批評家であるリチャード・モリス氏も、「批判派」の一人。「(イギリスは)質の悪いパブリックアートがあふれている。これはまさにその例だ」とバッサリ。

北アイルランド在住のアーティストが製作

エリザベス女王、2匹のコーギー、先に作られたフィリップ殿下の銅像のすべてを製作したのは、北ベルファスト在住のアーティスト、アント・ブレナン氏だ。

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アント・ブレナン氏と4つの銅像。@ANBorough – Facebookのキャプチャ画像。

フィリップ殿下の像も正直「よく似ている」とは言い難いが、エリザベス女王の「似てなさぶり」に比べればまだマシと言える。

加え、2人の姿勢や服の質感にも違和感があることも指摘されている。

唯一の救いは2匹のコーギー。エリザベス女王はコーギーが大好きで、たくさん飼っていたことで知られている。犬の像は大変愛らしく作られている。

 


ブレナン氏は政治家の顔をモチーフとしたチェス盤の製作者として有名。

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似てないからこそ…「聖地」に?

あまりに似ていないことで一躍有名になったこの銅像だが、実は「似ていないことで有名な銅像」は世界に数多くある。

 


2017年に作られた、サッカー選手クリスチャン・ロナウドの胸像。

 

 


兵馬俑のような甲冑をつけたテニス界のレジェンド、アンディ・マリー。

今後、このアントリム城庭園のエリザベス女王像も、コアなロイヤルファンはもちろんのこと、「似てない銅像」ファンにとっても「聖地の1つ」になるかもしれない。

 

【次ページ:動画で確認】こんなに似てない!エリザベス女王の銅像

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エリザベス女王は散策用の服装だが、フィリップ殿下はスーツ姿。これも変…。