名品とは時代とともに進化するものだ。 最新技術の搭載やデザインの刷新など、あのブランドの最新ニュースにフォーカス。
Pen最新号は『2024年の名品を探せ!』。人気ブランドによる秋冬の新作から、国内外のデザイナーが提案するアイテムまで広範にリサーチし、“名品”と呼ぶにふさわしい服・小物を探し出して紹介する。さらに、上質な素材を世界に供する国内メーカーを訪ね、あらゆる名品を知る目利きたちにも話を聞いた。心動かされる服や小物が、ここからきっと見つかるはずだ。
秋冬ファッション特集『2024年の名品を探せ!』
Pen 2024年11月号 ¥990(税込)
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なにげない毎日も旅だと教えてくれる、リモワの新たなアイコンバッグ
世界初の旅客機「ユンカースF13」からインスピレーションを得た、「グルーブ」と呼ばれる溝が入ったデザインのアルミニウム素材。そして、丸みを帯びた美しいエッジのフォルム。そう、まさしくこの佇まいは、1898年にドイツで創業したリモワの最もアイコニックなスーツケース「オリジナル」コレクションにほかならない。だが、ボディに対してハンドルが大きく、なんだかいつもと様子が違う? それもそのはず、これはブランドの伝統をコンパクトなハンドバッグのかたちで表現した新作なのだ。
取り外しできるウェビングストラップ付きでクロスボディバッグとしても使用可能。さらに贅沢なイタリアンレザーを使ったコンパートメントは、財布として便利なカードスロットを備えたジップポケットで仕切られ、容量も身のまわりの小物を収めるのに申し分ない。そしてなにより、軽量で丈夫。スーツケースの頼もしさに、ハンドバッグとして使うための配慮が追加されたこのバッグは、普段づかい用の新定番として活躍する予感に満ちている。傷が付いたり、ちょっと凹んだり……日々ともに出かけるたびに、思い出を味として刻む。“人生とは旅である”という言葉をも感じさせるはずだ。
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アップグレードを果たした、ジ・オニツカの最高峰ハイブリッドシューズ
ドレスシューズとスニーカーを融合したハイブリッドシューズは最近では珍しくないが、デザインも機能も満足できるものは稀有である。そんな中、ジ・オニツカの一足は、頭ひとつ抜けた存在。ジ・オニツカとは、ここ数年、世界中で人気が再燃しているオニツカタイガーのドレスラインだ。こちらはストレートチップの名靴「ダービー」。アッパーに使用するのは兵庫県姫路の職人によって仕上げられた神戸牛のレザーで、端正なシルエットながら、ガラスのような美しい光沢に色気が漂う。
日本のクラフツマンシップが注がれたアッパーに対し、ソールにはオニツカタイガーのスニーカーづくりのノウハウが活かされている。衝撃を緩和する踵のアルファゲルフォームや、硬さの異なるフォーム材を組み合わせたクッション性抜群のインナーソールで、履き心地は軽快。デザインはアーカイブのトレーニングシューズがベースなのだが、このたび、象徴的な赤のラインをつま先まで伸ばし、存在感が増した。厚みのあるシャークソールとあいまって、モードな雰囲気は健在。クールに決めたい時のセットアップに、アクティブな日のスウェットスタイルに。どんな装いにも応える一足だ。
オニツカタイガージャパン
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ブランドの原点を、日本の感性と最高素材で再構築したブルックス ブラザーズのブレザー
1818年にニューヨークで創業して以来、アメリカの伝統的なスタイルを守るブルックス ブラザーズ。そのシグネチャーといえるアイテムが、カプセルコレクション「ジャパン トラッド」として、日本ならではの感性で再構築された。今回のコレクションを監修したビームス Fの西口修平が選んだのは、タイやポロカラーシャツといった王道の名品たち。その中でもひと際輝いていたのがこのネイビーブレザー。
段返り3つボタンにシェイプがないサックモデルという、ブランドの原点ともいうべきアイテムを、大阪を拠点に緻密な服づくりで評価を得ているファクトリーブランドのリング ヂャケットに依頼し、製作した。生地は王家の羊と呼ばれる、超希少な英国製のエスコリアルウールのみを使用。それを高級毛織物に用いられるロンドンシュランクという防縮加工で仕上げることで、適度なストレッチ感が生まれた。ウール100%ながら、その肌触りはハリと光沢を持つカシミアのようだ。ブルックス ブラザーズの定番アイテムであるネイビーブレザーを、最高級の素材と熟練職人の緻密な服づくりで再構築した贅沢な一着。袖を通すことで、この上質さを実感してほしい。
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ポロシャツだけじゃない、ラコステのクールな新コレクション
ラコステの永遠の名品といえばポロシャツだが、このたびクリエイティブ・ディレクターに就任したペラジア・コロトロスによるデビュー作も見逃せない。彼女がランウェイの発表の場として選んだのは、全仏オープンの舞台でもあるローラン・ギャロスのセンターコート。そのことからわかるように、アイテムはどれも創業者であり、偉大なテニスプレイヤーでもあったルネ・ラコステへのリスペクトに基づくもの。しかし、それで終わらないのが彼らのエスプリというもの。プリーツやポロシャツといった、ルネが生きた1930年代頃のクラシックなスポーツスタイルのディテールを随所に取り入れながらも、見事にモダナイズさせた。
そして、カプセルコレクションではそのランウェイピースの世界観を、普段のワードローブに取り入れやすくアレンジ。艶やかな深いブラックのブルゾンは、オーセンティックな面持ちながら、鮮やかなネオングリーンのライナーとテニスコートを撮影し、袖にあしらったモノクロのグラフィックにどことなくストリートの香りが。しかしながらそこに品が漂うのは、歴史あるラコステの底力によるもの。まずはポロシャツに羽織り、新旧名作コーデを楽しみたい。
ラコステお客様センター
TEL:0120-37-0202---fadeinPager---
アメカジの伝統柄を大胆にプリント。ウールリッチ ブラック レーベルの仕掛け人とは?
いまやアメカジスタイルを代表する織り柄であるバッファローチェック。実はコレ、ハンター同士が狩りの最中に互いに誤射するのを防ぐ視認性の高い柄として、もとは1850年にウールリッチが開発し、ウール製のシャツアウターやハンティングジャケットに使われたものだというのをご存じだろうか。そんなブランド史を物語る伝統的な柄を、現代的なダウンのアウターシェルに大胆にプリントしたのがこの一着。
こんな洒脱なものづくりはいったい誰の仕業かと思ったら、クリエイティブ・ディレクターに就任したトッド・スナイダーによる新コレクション「ウールリッチ ブラック レーベル」のものと知り納得。近くでよく見てみると、使用しているのはシボ感のある独特な風合いのナイロン地。そこにバッファローチェックをプリントすることで、さながら中綿入りのウール地のジャケットのような立体的な表情に。
ともすると子どもっぽくなりがちなプリントだが、トラッドがベースにあるトッドらしい、大人のワードローブにふさわしい一着に仕上がった。伝統と最新技術がナチュラルに融合したこのアウターは、将来の貴重なヴィンテージになる気配に満ちあふれている。
ウールリッチ 二子玉川店
TEL:03-6431-0150---fadeinPager---
メンズの登場で話題沸騰! ユニクロ:シーの都会的な“頼れる一本”
過去にクロエなどを手掛けたデザイナー、クレア・ワイト・ケラーを擁し、昨年ウイメンズコレクションとして登場したユニクロ:シー。その洗練されたエフォートレススタイルが話題となっていたが、ついにメンズウエアがデビュー。今季の着想源はロンドンの文化施設、バービカン・センター。打ちっ放しのコンクリートなどの素材を活かしたクリーンな意匠のブルータリズム建築への敬意を込めたという。
元来は粗野な印象のあるパラシュートパンツも、デニム地という新鮮なチョイスに加え、サイドポケットなどの要素を削ぎ落として都会的に。スタンダードながら、退屈じゃない。そのさじ加減が絶妙な“頼れる一本”が誕生した。
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スマートな動きを実現した、サムソナイトのサスペンションホイールを体感せよ
夏のバカンスを経て、改めてスーツケースを見直したいと考えた人も多いだろう。最新家電と見紛うこちらのスーツケースは、サムソナイトから登場した「エヴォア Z」。無駄を一切感じさせない、シームレスなポリカーボネートのボディの美しさもさることながら、特筆すべきは「エアロトラック ワール サスペンションホイール」なるユニークな機構だ。
衝撃吸収力と静音性に優れており、これがあればもう、段差に引っかかってガタッとバランスが崩れる、なんていうストレスとは決別。ダブルホイール故に安定性だって抜群だ。令和の旅のお供は、見た目だけでなく使い勝手もスマートなものでなければ物足りない。
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