スマートウォッチが台頭してもなお、アナログ時計の機能的な美しさは人々を魅了する。高級腕時計ブランドは近年、時計をいかにコンパクトに、いかに軽くできるか競い合っている。
そんな中、ロシアの独立時計師ブランドKONSTANTIN CHAYKIN(コンスタンチン・チャイキン)が新モデル「ThinKing」のプロトタイプを発表し、“世界最薄” 記録を塗り替えた。
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厚さ1.65ミリ、重さ13.3グラム!
コンスタン・チャイキンの時計は、顔のようなダイアルが特徴(リストモンコレクション)。時表示と分表示が別々で、その2つを目に見立てている。
その名が世界に知れ渡ったのは、2017年のバーゼル・フェアだ。スイスで開催される世界最大の時計宝飾見本市で発表した「ジョーカー」が大ヒット。限定の99本が1週間で完売した。
翌年発売の「クラウン」は、“時計界のアカデミー賞” ジュネーブ・ウォッチ・グランプリにて「オーダシティ(大胆さ)」部門賞を受賞している。
今回コンスタン・チャイキンが発表した「ThinKing」は、厚さなんと1.65ミリメートル。ベルトを外した重さは、13.3グラムだ。
8月29日から9月2日まで、スイスで開催された展覧会ジュネーヴ・ウォッチ・デイズ 2024にプロトタイプを出品し、即座に話題となった。
ステンレススティールと、軽量かつ剛性の高い化合物タングステンカーバイド製で、コンスタン・チャイキンの他モデルと比べるとシンプルな見た目だ。それでも、リストモンコレクションの顔のようなデザインは引き継いでいる。
ダブルテンプを内蔵しつつ、いくつかの機能を外付けにしたため、軽量化に成功した。巻き上げと時刻合わせなどは、別個の厚さ5.4ミリのケースで行う。
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2ミリ以下のモデル、高級ブランドが続々発表
時計の薄さ競争は、この6年ほどで激化している。
スイスのブランドPiaget(ピアジェ)が厚さ2ミリメートルの「ALTIPLANO アルティメート・コンセプト」を2018年に発表、2020年に製品化し、当時 “世界最薄” となった。
2022年、BVLGARI(ブルガリ)が厚さ1.8ミリとさらに薄いモデル「オクト・フィニッシモ・ウルトラ」を打ち出したが、今年4月「オクト・フィニッシモ・ウルトラ COSC」でさらに厚さを0.1ミリメートル削った。
コンスタン・チャイキンの「ThinKing」は、ブルガリの記録を0.05ミリメートル更新したことになる。
CNNによると、来年4月に同じくジュネーブで開催されるウォッチズ&ワンダーズ で「ThinKing」プロトタイプの最新版がお披露目される。それまでに機能を改善する予定だと、コンスタン・チャイキンは明かした。価格はまだ未定だという。
新モデル「ThinKing」のプロトタイプは、”世界最薄”の世界記録を塗り替えた。公式Instagramより
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コンスタン・チャイキンの人気モデルの一つ「ジョーカー」
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コンスタン・チャイキンの人気モデルの一つ「クラウン」