魅力は“忍者”だけじゃない、伊賀で訪れたい5つのスポット

  • 写真・文:鈴木修司
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ビームスジャパンの鈴木修司です。今回の旅の舞台は、“忍(しのび)”の歴史と文化が根付く伊賀市です。懐かしいところで言うと、藤子不二雄による忍者漫画の不朽の名作「忍者ハットリくん」の主人公である“ハットリカンゾウ”の生まれ育った場所でもあり、忍者の里として日本随一知られている地域です。

1.忍者列車に揺られ、まずは「忍者市駅」へ

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少し余計な始まりになりましたが、今回は京都から電車の旅だったので、まずは行程の紹介です。京都駅を近鉄の特急列車で出発し、奈良県の八木駅で三重県方面の特急に乗り換え、目的地にほど近い伊賀神戸(いがかんべ)駅でひとまず下車します。そこからは忍者ファンには知られた“伊賀鉄道伊賀線”の忍者列車に乗り換え、目的地である“忍者市駅(上野市駅)”に到着です。伊賀線の道中の駅名がまた忍者らしく(勝手にそう思い込んでいるだけですが)、“伊那古(いなこ)駅”、“猪田道(いだみち)駅”、“四十九(しじゅく)駅”など、忍の里を連想させるような独特な響きです。

2.伊賀牛丼の隠れた名店「つかさ」

ここまでだいぶ“忍者推し”をしてしまいましたが、実は今回は忍者以外の魅力を備えた“伊賀”を紹介しようと考えています。伊賀は周囲をぐるりと山々に囲まれた盆地で(だからこそ当時、“忍”と呼ばれた土着の武士などが自治を守り通していくのに都合が良かった)、その寒暖差がもたらす特徴的な気候と豊かな水資源によって、名産品が多いことでも知られています。中でも代表的なものと言えば“伊賀米”、“伊賀の銘酒”、そして“伊賀牛”です。

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ということで、上野市駅に着くなり徒歩で向かえる牛丼の名店“つかさ”へ。市内には伊賀牛を使った牛丼を頂けるお店が数軒あるのですが、私のオススメはこちらです。街の中心にある“上野天神宮”のそばにひっそりある感じも旅情を盛り上げてくれ、上品で甘めの味付けはクセになります。

3.かつて“忍び”が築いた「城館」めぐり

お腹もこなれたので、足を延ばして郊外へ出かけます。あまり聞き慣れない“城館(じょうかん)”と呼ばれる忍者の砦となっていた場所を何ヶ所か訪ね歩きます。

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どこも外側からは小さな山、もしくは林にしか見えず、目立たない入り口から人工的な堀を越え、ぐるりと回り道して内側に入ると、小さな平地がいきなり出現し、かつては忍者の拠点が間違いなく存在していたのだと浪漫を感じます。ちなみにですがこのような場所、伊賀市だけでも600箇所も存在しているそうです。

4.城下町にちらばる宿、「NIPPONIA HOTEL」

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酷暑の中での城館歩きはさすがにきつかったのですが、その疲れを癒してくれたのが、コチラです。戦国時代の名将“藤堂高虎”が築いた城下町のそこかしこにある貴重な建物を宿泊施設としてリノベーションした“NIPPONIA HOTEL 伊賀上野城下町”です。現在は四棟あり、私が宿泊させて頂いたのは最も新しい“NOMATSU”。かなり古い町家を改装されていますが、内装は現代的に使いやすく仕上げられているので、お子様連れやご高齢の方、はたまた外国の方でもゆったりと贅沢な時間が過ごせると思います。

他の棟も見せて頂きましたが、土蔵をそのままひと部屋(中は二階層)に改装した秘密基地のような客室もあり、それぞれが魅力的でした。

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そして、朝食がまたニクイです。伊賀が豊かな場所であることを体感できるもので、当地の産物がふんだんに使われ、名物“伊賀焼”の土鍋で炊いた“伊賀米”(もちろん炊き立て)が格別の味わいです。ぜひ伊賀にお越しの際は宿泊されることをオススメします。

5.稲穂に囲まれた伊賀焼の産地、「丸柱」地区

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そして、二日目に訪れたのは“伊賀焼”の産地である“丸柱”地区へ。朝食に頂いた伊賀米が“新米”だったのではと思いつつ、たわわに実った田んぼに囲まれた窯元を訪ねます。ここでは今後の企画のためにしかっりと打合せをしたのですが、その話は割愛いたします。円柱には沢山の窯元があり、中には売店やギャラリーなども併設されているところもあるので、観光でも十分に楽しめると思います。

(おまけ) 日本ならではの洋食を堪能する「グリルストーク」

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最後に、おまけのグルメ情報です。伊賀市内には魅力的な飲食店が多いのですが、特にオススメが“洋食”です。こちらの“グリルストーク”さんは、お店の佇まい、お味、サービス、どれをとってもとても好感触です。日本らしい城下町で、日本で独自の発展を遂げた“洋食”を頂くのが良いのではと勝手に思っています。

いろいろと伊賀の魅力を語らせて頂きましたが、まだまだ私も気付いていないコトやモノがあるのではと感じています(忍者の隠れ里だけに)。ぜひ現地に足を運んで、ご自身の目と足で探って頂ければと思います。

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター鈴木修司が日本の魅力を紹介! 

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鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。

鈴木修司

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1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。