「着る」意味を考える『LOVEファッション―私を着がえるとき』展から英一蝶の展示まで【今月の展覧会2選】

  • 文:青野尚子(アートライター)
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ファッションとアート、文学の視点で、「着る」ことの意味を考える

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Comme des Garçons(川久保玲) 2020年春夏 © The kyoto Costume Institute photo: Takeru Koroda

京都国立近代美術館と京都服飾文化研究財団(KCI)とのコラボレーションによる展覧会。川久保玲、アレキサンダー・マックイーン、舘鼻則孝などKCIが所蔵する18世紀から現代までの服を、「自然にかえりたい」「綺麗になりたい」「ありのままでいたい」など服にまつわる情熱や願望を表すキーワードによって分類する。あわせてAKI INOMATA、小谷元彦、ヴォルフガング・ティルマンスらの現代美術を展示。着ることや服にまつわるさまざまな心理や社会状況をあぶり出す。

『LOVEファッション―私を着がえるとき』

開催期間:9/13~11/24
会場:京都国立近代美術館
TEL:075-761-4111
開館時間:10時~18時(金曜は20時まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(9/16、23、10/14、11/4は開館、翌火曜は休館)
料金:一般¥1,700 
www.kci.or.jp/love
※熊本、東京に巡回予定。

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人々の営みを生き生きと描いた、江戸時代の絵師の生涯とは

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重要文化財『 布晒舞図』 英一蝶 一幅江戸時代 17~18世紀 遠山記念館(展示期間:10/16~11/10)

英一蝶(はなぶさ・いっちょう)は、島流しにされるが恩赦によって奇跡的に江戸に戻るなど、波乱万丈の人生を送った絵師。狩野派仕込みの高い技術と、人々の営みを生き生きと描いた風俗画で名を馳せた。ユーモラスな戯画だけでなく謹直な仏画や狩野派らしい花鳥画なども手掛けている。没後300年を記念した本展では初期から晩年の作品までを展示。流刑地の三宅島で描かれた作品も出品される。かなり昔に描かれたものなのに、なぜか親しみが持てる絵だ。

『没後300年記念 英一蝶 ―風流才子、浮き世を写す―』

開催期間:9/18~11/10
会場:サントリー美術館
TEL:03-3479-8600
開館時間:10時~18時(金曜、11/9は20時まで。9/27、28は22時まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:火曜日(11/5は18時まで開館) 
料金:一般¥1,700
www.suntory.jp/sma
※期間中展示替えあり

※この記事はPen 2024年10月号より再編集した記事です。