北陸から工芸の魅力を発信する新しい感覚の芸術祭『GO FOR KOGEI』。今年は昨年に引き続く岩瀬エリア(富山市)へ新たに東山エリア(金沢市)が加わり、「くらしと工芸、アートにおける哲学的なもの」をテーマにして、総勢37名(15名+4組)のアーティストらが展示やイベントを繰り広げている。今回の注目したいスポットを紹介する。

工芸と暮らしが結びつく。東山エリアで見たい展示とは?

石畳の道に古い町家が建ち並ぶ「ひがし茶屋街」を擁する東山エリア。金沢を代表する観光地として知られる地域の裏手には、かつて職人らが軒を連ね、今でも隠れ家的なギャラリーが点在するなど、工芸と暮らしが結びついた光景が垣間見られる。約150年にわたって茶筒を作り続ける開化堂の6代目当主、八木隆裕は、現存する最も古い110年前の茶筒と現代の茶筒を並べて紹介。あわせて古いオイル缶といった工業製品を茶筒としてリメイクした作品を展示している。またカトラリーや食器の制作を行う竹俣勇壱は、建築家の鬼木孝一郎とコラボ。真鍮やステンレスなどのケトルや椅子を公開し、スタイリッシュでありながら、思いがけないほど表情豊かな金属のある暮らしを体感できる。
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