生放送中に気象予報士がパニック発作に見舞われて……周囲の対応が素晴らしいと話題に

  • 文:中川真知子
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オーストラリアのニュース番組『ABC News Breakfast』で気象予報士を務めるネイト・バーンが生放送中、パニック発作を起こした。彼は「ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私は時々パニック発作に見舞われます。いま発作が起こっています」と言い、司会者のリサ・ミラーに進行をバトンタッチした。

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写真はイメージ(ShutterStock)

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パニック発作を事前に明かしていた

バーンは2022年に自身のパニック発作について記事を書いており 、仕事仲間も視聴者も彼のコンディションを把握していた。そのため、パニック発作が出ても周囲が慌てずにサポートできたのだ。落ち着いたバーンはソファに腰掛け、コーナーを繋いだミラーらと合流。「驚かせてしまったら申し訳ない」と話した。

パニック発作を抱える人々は、いつ発生するかわからない症状に怯えながら過ごしている。パニック発作は誰にでも発生しうる障がいである一方で、周囲からの理解が得られなかったり、理解していたとしても上手くサポートしたりできないケースがある。

この生放送中の対応はSNSユーザーから「今まで見た中で最もシームレスで大人な対処法」などと称賛されたほか、「これを理解できるのは同じ経験を持つ人だけ。パニック発作は本当に恐ろしい」といったコメントも寄せられた。

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どのような症状なのか

パニック発作とは、理由もなく突然激しい不安に襲われ、動悸がして心拍数が上がったり、体が震えたり、死の恐怖を味わったりする状態で、症状が現れてから10分以内にピークに達すると言われている。

周囲の人たちに求められることは、苦しんでいる当事者のそばにいて安心させることだ。死の恐怖を味わっている患者を軽視していいわけではないが、慌てる必要はない。今回のバーンとミラーのやりとりは、パニック発作がありながら働く人や、その周囲の人にとって力強いメッセージになったはずだ。

パニック発作は決して珍しいわけではなく、日本でもおよそ2パーセントが社会不安症だというデータある。アメリカでは成人の約31パーセントが生涯にわたって不安障害を経験するという。世界の著名人では、エマ・ストーンや、司会者のオプラ・ウィンフリー、ジョニー・デップ、スカーレット・ヨハンソンらが公表している。

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実際の映像

@abcnewsaus Nate Byrne experienced a panic attack while presenting the weather. He’s open about his panic attacks — he’s even written about them before — and he’s doing okay. Here’s the moment it happened and the team’s response. To personalise your news & stay in the know, download the ABC News app via the link our bio. #ABCNews #PanicAttack #MentalHealth #Anxiety #ABCNewsBreakfast ♬ original sound - ABC News Australia