米フロリダ州クリアウォーターのピネラス動物愛護団体(HSP)が、飼育放棄されていた5歳のピットブルを保護した。キングと名づけたこの犬には、顔に体重の10%にあたる3キロ超の腫瘍があった。
---fadeinPager---
顔と同じ大きさの腫瘍を摘出
HSPは7月9日、Instagramにキングの写真を投稿し「どのくらい放置されていたのかわからない」と書いている。
キングの右頬には、頭と同じか、やや大きく見えるサイズの腫瘍がぶら下がっている。座っていると地面についてしまうほどだ。
施設に到着してからすぐに、腫瘍を切除する手術が執り行われた。手術は困難を極めたが、無事に成功。術後、腫瘍そのものは良性であることが判明した。
術後の写真では、腫瘍は完全に摘出されており、大きな傷があるもののキングの顔はすっきりとしている。回復は順調なようで、陽光の下で楽しそうなキングの写真も掲載された。
「(飼育放棄や腫瘍があったにもかかわらず)キングの精神は壊れていませんでした。不快と痛みに苦しんでいただろうに、彼は感動的なほど明るく、ただ愛を望んでいました」とHSPは投稿文に書いた。
キングは心臓病も患っており、初期段階の治療を終え、里親探しが始まった。投稿は拡散され、ピープル誌など複数の米メディアもキングの旅路を報じた。HSPは、キングの治療のための募金活動も並行していた。
---fadeinPager---
新しい家族のもとへ
そして、手術から数瞬間後。HSPは8月13日の投稿で、キングに里親が見つかったと発表した。HSPの新施設を建設中の作業員が、散歩中のキングと親交を深め、家族に迎え入れることになったという。
「長い散歩の途中で、キングは新センターの工事を担当していた作業員と出会いました。この素敵なジェントルマンは、徐々にキングに好意を抱いていきました。そして先日の嵐の時、キングの里親になりたいと申し出てくれたのです」
「キング、おめでとう! 私たちもとても幸せです!」
Instagramには、新しい飼い主とキングとの仲睦まじげな写真が掲載された。投稿には「末長く幸せに!」「月曜の朝から泣いてる」「引き取ってくれてありがとう」など祝福のコメントが寄せられている。
腫瘍を摘出した、ピットブルのキング。HSPの公式インスタグラムより。