台湾の日本統治時代の山林研究者たちの台湾官舎が、共生を考える複合施設にリノベーション

  • 文:近藤弥生子
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TAIPEI 台北/台湾

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日本統治時代に建てられた日本家屋群が残る永康街エリア。建物は地域住民らの努力によって保たれている。 photo: 0km山物所

山林との共生を考える複合施設「0km山物所」が開業した。1930年代、日本統治時代の台北に建てられた山林研究者たちの官舎を、林業及自然保育署(林野庁に相当)がおよそ1億台湾元をかけ、勤美グループらとともにリノベーション。気鋭のデザインチーム「格式設計展策」が空間やビジュアルを、「裏山」など3チームがランドスケープを手掛け、台湾原生種や絶滅危惧種など数百種以上の植物で森林景観を生み出している。

施設には、山林をテーマにしたデザインショップ、台湾コーヒーとスイーツを扱うカフェを併設。8月には新たに人気ベジタリアンレストラン「小小樹食」がオープンし、話題になっている。

www.0km.com.tw

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クリエイター「產房」が手掛けたリサイクルクレヨンは、施設のオリジナル商品。11種の土壌の色が表現されているのが特徴的。 photo: 0km山物所

※この記事はPen 2024年10月号より再編集した記事です。