TVRの集いの場に潜入!今は手に入らない希少車も

  • 文&写真: 内田栄治
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TVR1.JPGビクセン

読者の方はTVRをご存じだろうか?イギリス・ブラックプールで1947年にトレバー・ウィルキンソン(Trevor Wilkinson〈1923 - 2008〉)によって創業されたスポーツカーメーカーである。

元々はバックヤードビルダーと言われる少量のクルマを手作りしていたコーチビルダーだったが1980年代に経営者がピーター・ウィラーになってからは業容を急拡大、1990年代には独立系スポーツカーメーカーとしては英国で最大手となった。その後、2006年には経営破綻し、現在は再建中である。

TVRのコンセプトは「スポーツカーは大馬力で軽量であればそれでいい」という明快なもの。鋼管スペースプレームにFRPのボディを乗せ直6やV8エンジンを搭載したそのクルマは車両制御どころかABSすらつかない乗り手を選ぶ硬派なクルマだ。

そんなクルマに乗るオーナーの集まりが日本にも存在している。TVRCCJ(TVR CAR CLUB JAPAN)、英国のTVRCLUBから正式に認定されている日本で唯一のTVRカークラブである。

そのクラブの総会が初夏に、長野県の蓼科高原で行われ、日本全国から50名を超すメンバーが集まった。普段目にすることのない色とりどりのTVRが集結した会場を覗いて、そのラインナップを紹介していこう。

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TVRを愛して止まない者たちによる、日本随一のTVRカーの集い

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京都からお越しの栗田兄弟 二人とも70代と、とてもお元気です!

まずは1960年代のクラシックなTVRが並ぶ。そして、とてもレーシーに改造されたグランチュラMK2。オーナーは初TVRとのこと。このハードなクルマを選択されるのは流石の一言と言える。

TVR3.JPGTVR初の市販車グランチュラ。レース仕様になっている。

直6エンジンの「スピード6」を搭載のタスカン。TVRというとこのクルマを連想される方も多いのではないだろうか。色も派手なものが多い。これだけのタスカンが普段集まることはあり得ないだろう。

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タスカン
TVR5.JPG色とりどりのタスカン

夜はTVRCCJのパーティが行われた。パーティではチャリティーオークションも行われ大いに盛り上がった。翌日は午前中ワインディングロードのツーリング、その後、ホテルに戻りランチを兼ねた総会の報告が行われた。

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ホテルでの総会

そして締めは、園地と呼ばれる芝生の上にクルマを並べて撮影が行われた。ドローンによる空撮などもあり、かなり本格的である。

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キミーラ ローバー製V8エンジンを搭載 最も売れたTVR
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TVRの中でも希少なT350やサガリス

TVRCCJ総会は今年で31年を迎えるが、通常こういったクラブはメンバーの高齢化が問題になる。しかしTVRCCJの場合、20代の若い会員も毎年増え、非常に活気がある。これはメンバーのフランクな雰囲気とクルマのキャラクターゆえだろうか。

筆者も以前TVRに乗っていたご縁で今もメンバーの末席を汚しているが、この会に参加する度にいつかはまたTVRに乗ってみたいという想いがよぎる次第である。 

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