「世界最高齢の人物」として知られていた117歳のスペイン人女性、マリア・ブラニャス・モレラさんが死去した。8月20日、家族と老人ホームの広報担当により「X」でこのニュースが発信された。
La Maria Branyas ens ha deixat. Ha mort com ella volia: mentre dormia, tranquil·la i sense dolor.
— Super Àvia Catalana (@MariaBranyas112) August 20, 2024
Fa uns dies ens deia:
“Un dia me n'aniré d'aquí. No tornaré a provar cafè, ni a menjar iogurt, ni a acaronar a la Fada..., deixaré també els meus records, les meves reflexions... 👇
マリアさんが「存命する世界最高齢人物」と認定されたのは2023年1月17日。フランスの修道女、リシェル・ランドンさんが118歳で亡くなったことを受け、当時116歳だったマリアさんが「世界最高齢」となった。
2023年11月、遺伝学の研究者であるマネル・エステラー博士はABC放送の取材に対し、「(マリアさん)は4歳のときのエピソードを鮮明に覚えています」「高齢者によく見られる心血管疾患もまったくありません」と説明。マリアさんの健康な様子を伝えた。
Manel Esteller: “Superarem els 130 anys, sí” https://t.co/KCik96PkEO
— Super Àvia Catalana (@MariaBranyas112) January 17, 2024
またマリアさんの末娘、ローザ・モレットさんも「母は1度も病院に行ったことがないのです」「骨折もしたこともなく、元気です」と語っていた。今年3月4日には117歳の誕生日を祝った様子もSNSで投稿され、話題となっていた。
Here's a picture of Maria Branyas Morera celebrating her 117th birthday from her nursing home in Catalonia 🥰️
— Guinness World Records (@GWR) March 4, 2024
📷 Residència Santa María del Tura pic.twitter.com/hTOJPgU98B
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死期を悟ったマリアさん、最後の言葉
健康上の大きな問題はなかったものの、マリアさんは自分の死期を悟っていた。
マリアさんの最後のXへの投稿は8月19日。
“I quan la meva veu calli amb la mort, el meu cor et seguirà parlant d'amor” (Tagore).
— Super Àvia Catalana (@MariaBranyas112) August 19, 2024
Em sento feble. S’acosta l’hora. No ploreu, no m’agraden les llàgrimes. I sobre tot no patiu per mi. Ja em coneixeu, allà on vagi serè feliç, doncs d'alguna manera us portaré sempre amb mi.
詩を引用し、下記のようにコメントしている。
「そして、私の声が死によって沈黙しても、私の心はあなたへの愛を語り続けるだろう」(タゴール)
「弱くなっているのを感じています。もうすぐ時が来るでしょう。でもどうか泣かないでください。私は涙が好きではありません。そして何よりも私のために苦しまないでください。私はどこに行っても幸せなことを、あなたも知っているはずです。なぜなら私は(どこにいても)あなたと一緒だから」
彼女は23年暮らした老人ホーム「レジデンシア・サンタ・マリア・デル・トゥーラ」(スペイン・カタルーニャ州オロト)で、安らかに亡くなった。
死去する数日前に、「もうすぐ私の長い旅路は終わります」「長い人生で疲れた私を、死が見つけるでしょう」「私はそのときを、笑顔で、自由に、満足した気持ちで迎えたいのです」と家族に語ったという。
#Internacional Muere María Branyas Morera, la persona más longeva del mundo.https://t.co/RQHGd0yhm2 pic.twitter.com/Wd6alf9Ngy
— El Dictamen (@ElDictamen) August 20, 2024
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長寿の秘訣は「あることを避けること」
1907年3月4日、スペイン人ジャーナリストの娘としてアメリカ・サンフランシスコで生まれたマリアさん。8歳のときに家族でスペインに帰国したものの、移動中の船の中で父が突然死去。自身も片耳の聴力を失った。
“La Maria no es pot deixar escapar aquest home”. Doncs, no. Quan va acabar la carrera de Medicina, ens vam casar i vam ser molt feliços. pic.twitter.com/wqmtOm3MQ2
— Super Àvia Catalana (@MariaBranyas112) June 4, 2023
その後、スペイン風邪の流行、世界大恐慌、スペイン内戦等、苦しい時代を生き抜いた。
マリアさんの家系には長寿の人が多いため、彼女が長生きした理由の1つは「遺伝的要素」もあると考えられている。しかしそれだけではない。マリアさんは生前、「自身の健康の理由」について、「美味しいヨーグルトを毎日食べること」を挙げている。
また「秩序、静けさ、家族や友人との良好なつながり、自然との触れ合い、情緒の安定、心配しないこと、後悔のないこと、前向きでいること」に加え、「有害な人たちを避けること」も長寿の秘訣だと語っていた。
生前に彼女が望んだように、静かに天に召されたマリアさん。彼女の冥福を心から祈りたい。
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現在の「世界在高齢」は日本人女性。
彼女の死去により、「存命の世界最高齢の人物」として兵庫県芦屋市在住の糸岡富子さんが認定された。
Tomiko Itooka has become the world’s oldest living person at age 116, following the death of 117-year-old Maria Branyas, according to the Guinness World Records.
— Euronews Culture (@euronewsculture) August 22, 2024
Read more: https://t.co/RCdWmcYdQB pic.twitter.com/KLLVvdr9ab
糸岡さんの元気そうな姿は、世界中で大きく報道された。
【次ページ:動画で確認】100歳超えとは思えない!生前のマリアさんの映像
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