世界最高齢117歳の女性が死去。生前に語った“長寿の秘訣”は「有害な人に会わない」ことと「“あるもの”を食べること」?

  • 文:宮田華子
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@ residenciatura – instagramのキャプチャ画像

「世界最高齢の人物」として知られていた117歳のスペイン人女性、マリア・ブラニャス・モレラさんが死去した。8月20日、家族と老人ホームの広報担当により「X」でこのニュースが発信された。

 


マリアさんの死去を伝える投稿。彼女は「カタルーニャのスーパーおばあちゃん(Super Àvia Catalana)」という名前のXアカウントを持っており、投稿は主に家族が行っていた。

マリアさんが「存命する世界最高齢人物」と認定されたのは2023年1月17日。フランスの修道女、リシェル・ランドンさんが118歳で亡くなったことを受け、当時116歳だったマリアさんが「世界最高齢」となった。

2023年11月、遺伝学の研究者であるマネル・エステラー博士はABC放送の取材に対し、「(マリアさん)は4歳のときのエピソードを鮮明に覚えています」「高齢者によく見られる心血管疾患もまったくありません」と説明。マリアさんの健康な様子を伝えた。

 

 


ホセ・カレーラス白血病研究所の所長でありバルセロナ大学の遺伝学教授であるマネル・エステラー博士。

またマリアさんの末娘、ローザ・モレットさんも「母は1度も病院に行ったことがないのです」「骨折もしたこともなく、元気です」と語っていた。今年3月4日には117歳の誕生日を祝った様子もSNSで投稿され、話題となっていた。

 


117歳の誕生日を祝うマリアさん。

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死期を悟ったマリアさん、最後の言葉

健康上の大きな問題はなかったものの、マリアさんは自分の死期を悟っていた。

マリアさんの最後のXへの投稿は8月19日。

詩を引用し、下記のようにコメントしている。

「そして、私の声が死によって沈黙しても、私の心はあなたへの愛を語り続けるだろう」(タゴール)

「弱くなっているのを感じています。もうすぐ時が来るでしょう。でもどうか泣かないでください。私は涙が好きではありません。そして何よりも私のために苦しまないでください。私はどこに行っても幸せなことを、あなたも知っているはずです。なぜなら私は(どこにいても)あなたと一緒だから」

彼女は23年暮らした老人ホーム「レジデンシア・サンタ・マリア・デル・トゥーラ」(スペイン・カタルーニャ州オロト)で、安らかに亡くなった。

死去する数日前に、「もうすぐ私の長い旅路は終わります」「長い人生で疲れた私を、死が見つけるでしょう」「私はそのときを、笑顔で、自由に、満足した気持ちで迎えたいのです」と家族に語ったという。

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長寿の秘訣は「あることを避けること」

1907年3月4日、スペイン人ジャーナリストの娘としてアメリカ・サンフランシスコで生まれたマリアさん。8歳のときに家族でスペインに帰国したものの、移動中の船の中で父が突然死去。自身も片耳の聴力を失った。

 


18歳頃のマリアさん。

その後、スペイン風邪の流行、世界大恐慌、スペイン内戦等、苦しい時代を生き抜いた。

マリアさんの家系には長寿の人が多いため、彼女が長生きした理由の1つは「遺伝的要素」もあると考えられている。しかしそれだけではない。マリアさんは生前、「自身の健康の理由」について、「美味しいヨーグルトを毎日食べること」を挙げている。

 

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ヨーグルトを毎日欠かさず食べていたマリアさん。@MariaBranyas112 – Xのキャプチャ画像。

また「秩序、静けさ、家族や友人との良好なつながり、自然との触れ合い、情緒の安定、心配しないこと、後悔のないこと、前向きでいること」に加え、「有害な人たちを避けること」も長寿の秘訣だと語っていた。

 

2020年に撮影されたインタビュー映像。

生前に彼女が望んだように、静かに天に召されたマリアさん。彼女の冥福を心から祈りたい。

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現在の「世界在高齢」は日本人女性。

彼女の死去により、「存命の世界最高齢の人物」として兵庫県芦屋市在住の糸岡富子さんが認定された。

糸岡さんの元気そうな姿は、世界中で大きく報道された。

 

【次ページ:動画で確認】100歳超えとは思えない!生前のマリアさんの映像

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マリアさんの死去を伝えるニュース映像。しっかり歩く様子、生き生きとした表情が印象的だ。