20世紀最大の芸術運動を、全10作品の贅沢プログラムで紐解く!『シュルレアリスム100年映画祭』が全国順次上演

  • 文:Pen編集部
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『シュルレアリスム100年映画祭』ポスター。

『シュルレアリスム100年映画祭』が、10月5日よりユーロスペースほか全国の映画館で順次開催する予定だ。本特集は、従来の美の枠を超えたシュルレアリスムの世界観を存分に味わえるものとなっている。

1924年10月に、アンドレ・ブルトンが『シュルレアリスム宣言』を発表したことから、「20世紀最大の芸術運動」と言われるシュルレアリスム(超現実主義)が本格的に始まった。その発端は、戦争への抵抗や虚無感から生まれたダダイズムだ。無意識の世界の探究と表出によって人間精神の解放を目指したこの運動は、文学、絵画、映画、音楽、思想など広範な領域に影響を及ぼした。世界各地で独自の発展を見せたその本質は、宣言から100年を経つ今の時代にも受け継がれている。

今回の特集上映では、7つのプログラムで全10作品がラインアップ。シュルレアリスムのオールスターが競い合った『金で買える夢』では「夢」をテーマにストーリーを展開。ブニュエルのメキシコ時代の最高傑作『皆殺しの天使』は、解読不能なイメージを次々と登場させ、ブラックユーモアたっぷりに描いた。歴史上初めてのシュルレアリスム映画である『貝殻と僧侶』と、名匠ルネ・クレールによるダダイズムの短編映画『幕間』の2本を1つにしたプログラムCでは、ダダからシュルレアリスムの過渡期を味わえる。ブルトンの思想を深堀った『アンドレ・ブルトン ドキュメンタリー集』は日本劇場初公開の3つのドキュメンタリーを集めている。今回が日本初公開となる『マックス・エルンスト 放浪と衝動』、『謎の巨匠 ルネ・マグリット』と『トワイヤン 真実の根源』の3本は、どれもがシュルレアリスムを模索する重要なキーで、自らの価値観を広げてくれるに違いない。

100年の節目を迎えたこの機に、映画を通してシュルレアリスムの深遠な世界をあらためて紐解いてみてはいかがだろうか。

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プログラムA 『金で買える夢』
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プログラムB 『皆殺しの天使』
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プログラムC ダダからシュルレアリスムへ『貝殻と僧侶』
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プログラムD アンドレ・ブルトン ドキュメンタリー集 『アンドレ・ブルトン あらゆるものにもかかわらず』『野性の目』『2003年3月31日、オテル・ドルーオ』
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プログラムE 『マックス・エルンスト 放浪と衝動』
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プログラムF 『謎の巨匠 ルネ・マグリット』
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プログラムG 『トワイヤン 真実の根源』

ユーロスペース トークイベント

・10月5日(土)16時回 プログラムA 『金で買える夢』
巖谷國士(仏文学者・作家・評論家)

・10月6日(日)16時回 プログラムB 『皆殺しの天使』
長谷川晶子(シュルレアリスム研究・京都産業大学准教授)

・10月12日(土)16時回 プログラムE 『マックス・エルンスト 放浪と衝動』
大谷省吾(東京国立近代美術館副館長)、長名大地(東京国立美術館主任研究員)

・10月13日(日)16時回 プログラムD アンドレ・ブルトン ドキュメンタリー集 『アンドレ・ブルトン あらゆるものにもかかわらず』『野性の目』『2003年3月31日、オテル・ドルーオ』
鈴木雅雄(シュルレアリスム研究・早稲田大学教授)

・10月19日(土)15時30分回 プログラムF 『謎の巨匠 ルネ・マグリット』
蔵屋美香(横浜美術館館長)

・10月20日(日)16時回 プログラムG 『トワイヤン 真実の根源』
阿部賢一(中東欧文学・東京大学准教授)

・10月26日(土)14時45分回 プログラムC ダダからシュルレアリスムへ 『幕間』『貝殻と僧侶』
深川雅文(キュレーター・クリティック)

※トークは各上映回終了後に開催
※敬称略

『シュルレアリスム100年映画祭』

10/5よりユーロスペースほか全国順次特集上映
東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS
https://trenova.jp/surrealism100/