高級時計の名門ブレゲが、アイコニックなパイロットウォッチ「タイプ XX」の新作を発表した。ローズゴールドとブルーセラミックを融合させた、類稀なる美しさと機能性を兼ね備えたタイムピースだ。
「タイプ XX」は、その起源を1950年代に遡る。フランス空軍からの特別注文をきっかけに誕生し、以来、パイロットたちに愛され続けてきた。今回の新作は、その輝かしい遺産を受け継ぎながら、現代の技術と美学を巧みに調和させている。最も目を引くのは、ローズゴールド製のケースとブルーセラミック製のベゼルリングの組み合わせだ。42㎜のケースは、夕暮れ時の空を思わせるサンバースト仕上げのブルー文字盤を包み込み、その文字盤上には、15分積算計、12時間積算計、スモールセコンドを表示する3つのサブダイヤルが、まるで夜空に浮かぶ星座のように配置されている。
しかし、この時計の真価は、その見た目だけにとどまらない。搭載されるキャリバー728は、ブレゲが4年の歳月をかけて開発した自社製ムーブメントだ。その最大の特徴はフライバック機能。従来3段階必要だったクロノグラフの再スタート操作を、ボタンを1回押すだけで行えるようにした。パイロットにとって、これは極めて重要な進化と言える。ブレゲのCEO、リオネル・ア・マルカ氏はこの新作について、「当社のアーカイブから、ゴールド製の初代『タイプ XX』3点を発見しました。それらからインスピレーションを得て、現代のお客様のニーズに応える新作を生み出しました」と説明した。
興味深いのは、この時計がもつ二面性だ。高級時計としての品格を備えている一方で、その堅牢な構造と実用的な機能は、まさにツールウォッチとしての本質を失っていない。この相反する要素の見事な融合こそが、新「タイプ XX」の魅力と言えるだろう。ストラップは、ナイトブルーのアリゲーターレザーとNATOタイプの2種類が付属する。しかも、工具不要で簡単に交換できるシステムを採用。これにより、着用者は気分や場面に応じて、時計の表情を瞬時に変えることができる。
ブレゲ副社長兼パトリモニー部門長のエマニュエル・ブレゲ氏は、「航空の世界のニーズに寄り添い続けてきたブレゲの伝統が、この新作にも息づいています」と語る。その言葉通り、新「タイプ XX」は、過去と未来、機能性と美しさを見事に結びつけた、現代の航空時計の傑作と呼ぶにふさわしい逸品だ。
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