演劇界の革命児、寺山修司の生き様! 劇団「天井棧敷」で前衛的な挑戦したその軌跡をたどる展示が開催

  • 文:Pen編集部
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渋谷に落成した天井棧敷館の前で(1969年)©テラヤマ・ワールド

世田谷文学館で、『寺山修司展』が2024年10月5日より2025年3月30日まで開催される予定だ。来年で生誕90年を迎える寺山は、様々な芸術分野を横断することでその才能を遺憾なく発揮してきた。本展では、これまで同館で収蔵してきた自筆の書簡や演劇実験室「天井棧敷」に関する資料(原稿、台本、ポスター)など約150点を展示し、その人物像と活動を紹介する。

短いフレーズで鮮烈な記憶を残す寺山は、18歳で「短歌研究」新人賞を受賞し、俳句や短歌などの定型詩から、自由詩へと創作活動の基盤を移した。その後、歌謡曲の作詞や放送詩(ラジオ)へと活動のジャンルを広げた彼は、様々な顔を持つマルチクリエイターとして、亡きいまでも世代を超えてファンを増やし続けている。

30歳前後の1960年代後半に世田谷区下馬へ移り住んだ寺山は、演劇実験室「天井棧敷」を設立し、前衛的な活動を通して、演劇界に大きな革命をもたらした。その誕生は、新婚間もない寺山が自宅向かいのマンションに家出した少年少女を劇団員として受け入れ、共同生活を始めたことに由来する。個性的な退学者や家出者が大半を占めるという異色の劇団は、「見世物の復権」を謳い、既存の演劇制度に対する批判を展開。横尾忠則や宇野亜喜良など、多くのクリエイターを巻き込んだその表現活動は、演劇の可能性を広げ、アンダーグラウンドのカルチャーブームを起こした。

芸術界に大きな影響を与え、カリスマ的人気を誇ってきた寺山の魅力を、本展で存分に味わってほしい。

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寺山修司特製の原稿用紙・複製 ©テラヤマ・ワールド
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「一本の / 樹にも / ながれている血がある / こゝでは血は / 立ったまま眠っている」
戯曲『血は立ったまま眠っている』(1960年 浅利慶太演出 劇団四季)の劇中で歌われたブルースの歌詞。原稿用紙1枚目左上には、鉛筆書きで「一本の/樹にも電柱にも/ながれている血がある/こゝでは血は/立ったまま眠っている」とあり、2枚目で「電柱」が「樹」に直されている。寺山修司『ブルース一九六〇』複製 ©テラヤマ・ワールド
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同上。寺山修司『ブルース一九六〇』複製 ©テラヤマ・ワールド
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早稲田大学入学直後(1954年)©テラヤマ・ワールド
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世田谷区下馬の自室にて(1967年頃)©テラヤマ・ワールド
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『われに五月』を出版の頃(1957年)©テラヤマ・ワールド
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掲示するとまたたく間に若者たちに持ち去られたという、天井棧敷設立当初の伝説のポスター。横尾忠則《演劇実験室「天井棧敷」創立時の劇団案内用ポスター》(1967年)©ヨコオズ・サーカス
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寺山修司『書を捨てよ、町へ出よう』(装幀:横尾忠則 1965年 芳賀書店刊)©ヨコオズ・サーカス

『寺山修司展 ―世田谷文学館コレクション展 2024年度後期―』

開催期間:2024年10月5日(土)〜2025年3月30日(日)
開催場所:世田谷文学館
東京都世田谷区南烏山1-10-10
開催時間:10時~18時 ※展覧会入場、ミュージアムショップは17時30分まで
休館日:月(休日の場合は翌日)、年末年始、3月10日~18日
料金:一般200円他
TEL:03-5374-9111
www.setabun.or.jp