ミュージシャン・尾崎世界観が明かす、マイフェイバリットビールはコレだ!

  • 編集&文:久保寺潤子
  • 写真:宇田川 淳
  • イラスト:西田真魚
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愛する地元のブルワリーから行きつけのバーや旅先で出会った1本まで、 贔屓にしているクラフトビールを、ビールラバーたちが語り尽くす。

Pen最新号は『驚きと、よろこびのクラフトビール』。この数年で、クラフトビールをめぐる景色が大きく変化しつつある。ていねいにつくられたもの、多様性を包み込むもの、消費されない価値を持つもの。こうした価値観、考え方が世の中に浸透し、新しい時代の姿となっているが、クラフトビールは、まさにその流れの真ん中にあるものだ。世界を動かす驚きと、よろこびあふれるクラフトビールを体感しに行こう。

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尾崎世界観 ●ミュージシャン・作家

1984年、東京都生まれ。2001年ロックバンド・クリープハイプを結成し、ボーカル、ギターを務める。12年にアルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビューを果たす。16年に小説『祐介』(文藝春秋)を上梓し、小説家としてもデビュー。発売中の最新刊『転の声』(同)は2度目の芥川賞候補作となった。

手間暇かかるビールづくりを体験して、「とりあえず一杯」のイメージが変わった

6年前、ラジオ番組の企画でオリジナルのクラフトビールを手掛けたことがある尾崎世界観。その時の思い出をこう語る。

「レシピ制作から実際のビールづくりまで、ひと通り体験させていただきました。結構な重労働で大変でしたね。ビールってとりあえずの一杯みたいに軽く飲んでしまいがちですが、これだけ人の手がかかっていると思うと、すごくありがたみを感じます」

尾崎が体験したのは、常陸野ネストビールを手掛ける木内酒造。酒蔵を改装した茨城のビール工房で、レシピの打ち合わせから麦芽の破砕・糖化、麦汁の濾過・スパージング(熱湯をかけ風味を出すこと)、煮沸、冷却といった一連の作業を行ったという。

「初めての人でも飲みやすいようなビールを意識して。クラフトビールはクセの強いものも多いですが、広く魅力を知ってもらえるように、さらっと飲めるものを目指しました」

現在世界でつくられているビールには、大きく分けて2タイプの発酵過程がある。常温からやや高温で発酵させることで酵母が麦汁の表面に浮き上がってくる上面発酵と、5度前後の低温で発酵させることで、酵母がタンクの底に沈んでいく下面発酵のふたつである。前者のタイプをエール、後者をラガーと呼ぶ。日本のビールは長らくラガーが主流であったが、クラフトビールブームでエール人気に火がついた。

今回尾崎が推薦した常陸野ネストビールの「ラガー」は麦芽の旨味とアロマホップの香りのバランスが絶妙な一本。大量生産で流通しているラガーと飲み比べてみれば、改めてクラフトの味の特性を感じられるはずだ。

2000を超えるクラフトビールがある中で、尾崎はシチュエーションに合わせて飲み分けている。

「夏は軽くてどんどん飲めるものがいい。アジアのビールのような。ライブで中国に行った時は青島にもいろんな種類があって、面白かったですね。逆にアルコール度数の高いしっかりしたビールは、ゆっくりと時間をかけて楽しみたいです」

夏のお薦めとして挙げたのは「グースIPA」。アメリカ最大規模の自社ホップ農園をもつグースアイランドのIPAは爽やかで親しみやすく、飲み飽きない。一方、しっかりタイプの代表が「ブルックリンラガー」だ。

「初めてブルックリンラガーを飲んだのは行きつけのバーでした。気に入ったので後日スーパーで缶を買って家で飲んでみると、お店と遜色なくて。苦味も存在感もある。これはじっくり飲むタイプですね」

ライブの差し入れや旅先のお土産など、贈り物としてクラフトビールをもらう機会も多く、偶然の出会いを楽しんでいる。友人からのお土産で印象的だったのが那須塩原市の「なすですな」だ。

「飲み比べセットは味の違いがわかって楽しいです。ペールエールやIPA、ヴァイツェン、レモンビールなどセットで販売していて、初心者でも飲みやすいと思います。瓶の形やパッケージ、ネーミングもインパクトが強い」

バーでウイスキーを飲んだ後、締めにビールを頼むこともあるという尾崎。季節や場所、気分によって飲み分けるのが、クラフトビールをおいしく楽しむ秘訣かもしれない。

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尾崎世界観が推すクラフトビール4選

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那須ガーデンブルワリー なすですな ヴァイツェン(右)

「ネーミングもパッケージも印象的で飲み比べが楽しい」と尾崎。コロラド州ボルダーを手本に那須塩原市の活性化を目指す「那須ボルダー計画」。その一環としてクラフトビールが誕生。ヴァイツェンはバナナのようなフルーティさと、まろやかな味わい。330mL ¥750/那須ボルダー計画 TEL:0287-73-8588

常陸野ネストビール ラガー(中上)

「ビールづくり体験をした、思い出のブルワリー」。茨城県の老舗酒蔵・木内酒造から誕生した常陸野ネストビール。アメリカやイギリス、タイ、オーストラリアなど世界40カ国で販売している。「ラガー」はアロマホップの爽やかな香りとキレのよさが特徴。350mL ¥435/木内酒造 TEL:029-212-5115

グースアイランド グースIPA(中下)
「たくさん飲みたい時に! 爽やかなホップが駆け抜ける」。シカゴ発のブルワリー、グースアイランド。自社で育てたホップが生み出す最高峰のIPAは親しみやすくスタンダードな味。アメリカの数々のビール品評会で受賞。355mL ¥280/アンハイザー・ブッシュ・インベブ合同会社 TEL:0570-093-920

ブルックリン・ブルワリー ブルックリンラガー(左)
「家でもバーでも愛飲する珠玉のラガー」。1988年NYで設立されたブルックリン・ブルワリー。19世紀ビールづくりの街として栄えた時代に人気だったレシピをもとにつくられ、伝統と革新が詰まった一品。330mL(12本入り)¥5,400/キリンDRINXお客様センター TEL:0120-41-0143

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