ファッション写真の巨匠が捉えた故郷の姿、ヘルムート・ニュートンの特別展が開催

  • 文:河内秀子
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BERLIN ベルリン/ドイツ

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1936年、女性写真家イヴァのもとで学んでいた頃のセルフポートレート。 © Helmut Newton Foundation

写真界の巨匠、ヘルムート・ニュートンの写真美術館設立20周年を祝う特別展『ベルリン、ベルリン』が開催中だ。1920年、ベルリンに生まれた彼は36年から写真の修業を積むが、ナチスの台頭で故郷を去る。晩年、ベルリンで財団をつくり、写真美術館を設立。2004年、自動車事故で亡くなった本人が完成を見ることはなかったが、プロイセン人らしい生真面目さでアーカイブがつくられていたため、オープンすることができたのだとか。特別展には、60年代から2000年代にかけてニュートンがベルリンで撮影した約100点が並ぶ。被写体は旧東西ドイツの国境からナイトシーンまで多岐にわたり、この街独得の空気感が捉えられている。25年2月まで。

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パリで知り合ったドイツ人モデル、ジェニー・キャプテン。77年、事故で撮影をキャンセルしようとした彼女のギプス姿に惹かれ、ベルリンに同行させて撮影した。 © Helmut Newton Foundation

※この記事はPen 2024年9月号より再編集した記事です。