旬のさくらんぼと満喫した、山形県で訪れたい5つのスポット

  • 写真・文:鈴木修司
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ビームスジャパンの鈴木修司です。今回の旅の舞台は、まさに名物“さくらんぼ”が旬を迎えていた山形県です。日本一の生産量を誇る当地ですが、産地の中心が天童市、東根市、寒河江市です。新幹線で山形駅に着くなり天童を目指したので、道の両脇に無数の赤く輝くさくらんぼを眺めながらのドライブとなり、とても気持ちの良いものでした。

1.手作業を守る、将棋駒の「ホリコシ」

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まず向かったのは、言わずもがな天童の名物“将棋駒”の現場です。以前よりお世話になっている将棋駒メーカー“ホリコシ”さんを訪ねましたが、相変わらず手作業が中心の生産現場は見応え十分です。ひと駒ひと駒を丁寧に仕上げていく工程を眺めていると時間を忘れてしまいそうですが、肝心の新企画の打ち合わせ(冷えたさくらんぼを頂きながら)に集中しつつ、あっという間に夕方です。ちなみにビームスジャパンでは、通常の将棋商品も販売していますが、将棋駒を改良した縁起物が人気です。

2.酒田名物のラーメン屋さん「川柳」

今回は、山形県のおおよそ北半分をぐるりと一周しての二泊三日の旅となります。天童の次に向かったのは新庄市(一泊目)、その後に最上川を下りながら酒田市へ(二泊目)、そして日本海を南下し鶴岡市を経由、そこからぐっと内陸に入って出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)を突き抜けて山形市内へ戻る旅程です。

この旅の大きな目的地である酒田の街は初訪問ですが、いつかはと願っていた場所。私が説明するまでもなく、とくに江戸時代から栄えた街で、私の郷里の大先輩である伊勢商人“河村瑞賢”が開発した北前船の新航路の出発点として、当時の江戸を中心とする日本経済を大きく支えた日本屈指の港町です。

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そんな酒田ですが、まず向かったのは腹ごしらえのため酒田名物のラーメン屋さん(川柳)。期待通りに素朴な味わいで、まさに北国の港町の味ぞ!と独りで喜んで頂きました。

3.街を一望する「日和山公園」から往時の繁栄を語る「山居倉庫」

午後は往時を体感すべく、徒歩による散策です。港を一望できる“日和山公園”、かつての繁栄をものがたる和洋の素敵な建物群、これでもかと言わんばかりの山居倉庫(なんと18万俵の米を収容!)、港近くの海鮮を扱った商業施設や定期船ターミナル、新たに開発された酒田駅前の図書館やホテルなど。頑張れば徒歩で周れる距離ですし、とても日本らしい街なので、これから外国の観光客に人気が出るのではと勝手に思っています。

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実はですが、酒田には目当てのお店がありました。敬愛する居酒屋探訪家の“太田和彦”さん著『日本居酒屋遺産』にも取り上げられる名店“久村の酒場”ですが、なんと悲しいことに臨時定休日だったのです。これでまた酒田に来る理由が出来た、と前向きに捉えますが、旅に出ると往々にしてあることです。

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4.日本が誇る写真家の「土門拳記念館」

そして、翌日の午前中に行った“土門拳記念館”もオススメです(酒田市は土門拳の郷里)。前日の不運の埋め合わせか、特別展「植田正治と土門拳 」(残念ながら会期は終了)を堪能することが出来ました。

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山形市内に戻るために“月山”の裾野を通り抜けますが、10年以上前に山葡萄のカゴの作り手を訪ねた以来です。当時の想い出に浸り、山頂に微かに残る雪を眺めつつ車を走らせます。

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5.地場産品が豊富な西川町の「道の駅」と隣の「水沢温泉館」

少し時間に余裕があったので、西川町の道の駅に寄ったのですが、地場産品の品揃えも良く、隣接の“水沢温泉館”(サウナが充実とのこと)が気になります。

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 とりとめなく旅の話をしてしまいましたが、久々の山形はとても気持ちの良いものでした。今回は暑いくらいの天候に恵まれたので、逆に雪の降るような寒い季節での再訪も願っています。冬になれば海の幸の種類も変わるでしょうし、地酒の熱燗の美味さも際立つでしょうし、温泉やサウナもさぞかし染みるでしょうし。これだから、旅は止められません。

※この取材は2024年7月に行われております。7月末の災害で被害に遭われた方々へ、深くお見舞い申し上げます

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター鈴木修司が日本の魅力を紹介! 

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鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。

鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。