2024年英ベストドレッサー。1位の王女に「なぜ?」の声…キャサリン妃と真逆のセンス

  • 文:宮田華子
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@crownchronicles (Photo Credit: BBC)– Xのキャプチャ画像

英ファッション誌「Tatler」が選出する「2024年度ベストドレッサー」が発表された。

現在もっとも輝いているファッショニスタ25人が選出されているが、本年度栄えある第一位に輝いたのは、ベアトリス王女(35歳)。ウィリアム王子のいとこであり、王位継承順位9位に位置する王室メンバーだ。

 


チャールズ国王の弟であるアンドルー王子の長女であるベアトリス王女。王位継承順位は上位だが、ほぼ公務は行っていない。

 


ちなみにアンドルー王子は、性虐待疑惑をきっかけにシニアロイヤルから引退。公務を行っていない「無職」ロイヤル。

実はこの結果に、「なぜベアトリス王女が一位?」という驚きの声が上がっている。

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忘れてもらえない、2011年の“あの”ファッション

ベアトリス王女と言えば、2011年のウィリアム王子とキャサリン妃の挙式の装いが忘れられない。

著名な帽子デザイナーであるフィリップ・トレーシーのファシネーター(装飾用のヘッドドレス/帽子)をつけて挙式に参列したベアトリス王女だったが、このファシネーターのインパクトは強烈だった。

「頭にプレッツェルをのせている!?」
「エッグ型チョコレートを取り合う2匹のヘビ!?」
等々、さんざんな言われよう。この日の主役であったキャサリン妃のドレス以上に人々に強烈な印象を残した。

 


キャサリン妃のドレスは美しかったが、衝撃度ではベアトリス王女の勝ち。

 

 


実は妹ユージェニー王女のファシネーターもド派手だったのだが、ベアトリス王女の「びっくり度」にはかなわず。

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いつも爪痕を残す「チャレンジャー」

「プレッツェルお帽子」はインターネットミームとなり、世界中に拡散された。ベアトリス王女の耳にも悪評は届き、この件に関する報道を知って涙したと言われている。

 

こんなコラージュ写真が大量に出回った…。

しかしこの日だけでなく、ベアトリス王女はユニークな装いで有名な人物だ。2022年、同じ「Tatler誌が選ぶベストドレッサー」第一位に輝いたことがあるキャサリン妃は危なげのないコンサバ・ファッションを突き進み、冒険しない服装で公的な場に登場しつづけている。

 


全英オープンテニス最終日に登場したキャサリン妃。エレガントではあるが、目立つ装いはあまりしない。

そんなキャサリン妃とは真逆なのがベアトリス王女のファッション。必ずと言ってよいほど、良くも悪くも「ん!?」と思わせるアイキャッチなアイテムを取り入れることで知られている。下記に紹介する写真を見ると、彼女の好みとセンスを理解できるはずだ。

 


存在感がありすぎる「Burberry」のコートドレス。

 


「お月様」を頭にのっけてる?

 


「プレッツェルお帽子」と並び評される「蝶々のお帽子」。アン王女の息子、ピーター・フィリップスの挙式(2008年)にて着用。

 


「Camilla Rose Millinery」の巨大なヘアバンドを着用。「Self Portrait」のドレスに目が行かない…。

 


「Chloe」のドレス。当時のお値段1830ポンド(約34万円)

 


クジャク…ですか?

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屈折13年。イメチェンに貢献した人物

独特なセンスを持つベアトリス王女だが、そんな彼女のファッションがここ数年変化している。他のロイヤルと比較するといまだに型破りではあるものの、洗練度の高いコーディネートが多くなっていると評判だ。

 


「あれっ?」と思う頻度が減った王女のファッション。ウォッチャーたちにはちょっと寂しい現象かも。

ベアトリス王女は2020年にイタリア貴族の血を引く資産家エドアルド・マペッリ・モッツィと結婚。

 


ウェディングドレスは祖母である故エリザベス女王が挙式で着用したものお直ししたもの。サステナブル要素も含んだ「やらかし」ナシの賢い選択。

結婚後、それまで以上に高級ブランドをまとって社交の場にでてくることが多くなった。

「お洋服をとっかえひっかえ」出来る身分であることは独身時代も結婚後も変わらないが、この数年の変化は長年の社交生活で培った「高級ブランドを着こなす方法」の体得に加え、「社交界の秘密兵器」と言われているスタイリスト、オリビア・バッキンガムの功績も大きいと言われている。

 


スタイリストのオリビア・バッキンガム。自らもモデルのよう…。

 

 


故エリザベス女王のプラチナジュビリーの「感謝礼拝」にて。

本来、花柄や派手なプリントが大好きな彼女。そのテイストを活かしつつ、品よくまとめた装いも多くなった。

 


「Beulah London」のビンテージスタイルのドレスを、やりすぎになる手前ギリギリでコーデした例。この着こなしは賞賛された。

Tatler誌は「ベストドレッサー」選出の理由として「ビンテージ風のスタイルとキャットウォークから出てきたような華やかさを組み合わせることができる、エレガンスファッションの象徴」と大絶賛している。

彼女がエレガンスの高みに登っていく姿を見るのは、ファッションコンシャスな人には楽しいだろう。しかし彼女はかつて、ユニークなスタイルに果敢に挑むウォーリアー(戦士)だった。

本来のテイストである、「衝撃的な派手スタイル」を今後も忘れないでほしいと願うばかり。

 


今後も見たい「姉妹コーデ」。最近妹は「お出まし」が少ない。

【次ページ:動画あり】動画で確認ベアトリス&ユージェニー王女のファッションの軌跡

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可愛い子供時代から「あの」お帽子まで、姉妹のファッションを集めた動画。