アメリカ・ラスベガス在住のジュディス・モレナスさん(37歳)が、去る7月17日、行方不明だった愛犬と再会した。
これだけ聞くと「よくある迷い犬と飼い主の再会」なのだが、この話題が世界中で報道されているのには訳がある。AP通信をはじめとする報道によると、モレナスさんの愛犬が失踪したのは2015年のこと。なんと9年ぶりの再会だったのだ。
2015年、28歳だったモレナスさんは両親の家に暮らし、チワワ犬のギズモ(当時2歳)を飼っていた。そんなある日、裏庭で遊んでいたはずのギズモが突然いなくなってしまった。裏庭の門の一部が壊れており、そこから抜け出してしまったのだ。
ギズモがいなくなったことに気付いたモレナスさんは、すぐに捜索を開始した。チラシを製作してたくさんの場所に貼り、SNSでも情報提供を呼び掛けた。しかし努力は報われず、ギズモ発見には至らなかった。
そして9年の年月が流れた。この間にモレナスさんは実家から引っ越し、英語の修士号を取得。現在は教育機関で教員として働いている。モレナスさんの生活は大きく変わったものの、ギズモのことを忘れることはなかった。そして「再びギズモに会える」という希望を持ち続けていたという。
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1通のメールに泣き崩れた…
運命の日となった7月17日、モレナスさんは1通のメールを受信した。ある女性がギズモを見つけ、動物病院に連れていった。そこでギズモに埋めこまれたマイクロチップをスキャンすると、モレナスさんの連絡先が判明したのだ。
動物病院はすぐにモレナスさんにメールをした。メールを読んだモレナスさんは、喜びのあまりキッチンの床で崩れ落ち、泣いてしまった。
そのメールから数時間後には、モレナスさんはギズモと再会を果たした。
今回の発見は、モレナスさんがギズモにマイクロチップを埋め込んでいたからこそ起こったことだった。今年8月1日から、ラスベガスではすべての飼い犬・飼い猫にマイクロチップの埋め込みが義務化された。マイクロチップが多くのペットを救うことの証明であり、モレナスさんも「マイクロチップを埋めこんでおいて本当に良かった」と心から思っている。
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9年で変わり果てた姿に…
再会したギズモは11歳となっていた。モレナスさんに可愛がられていたころの容姿ではなかったもの、お互い、すぐに分かったという。
「見た目はすっかり違っていたのに、目を見るとすぐにギズモだと分かりました」
「名前を呼ぶとすぐにギズモは首を傾げ、私をじっと見つめていました」
9年間、ギズモがどうやってひとりで生き続けていたのかは誰にも分からない。再会したとき、ギズモは足を引きずり、両目は感染症を起こし、歯も何本も抜けている状態だった。
また、影や高所、鳥を怖がる等、9年前にはなかった態度も見受けられるという。
モレナスさんは「まず、ギズモに愛情を注ぐこと」に集中し、少しずつ治療を進めていくつもりだ。
ギズモがモレナスさんの元で健康を回復し、穏やかで幸せな日常が戻ってくることを祈らずにはいられない。
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