頭脳明晰な恐竜!? 知能派3選を紹介

  • 文:幕田けいた
  • イラスト:服部雅人
  • 監修:田中康平(筑波大学 生命環境系 助教)
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脳が体に比べ大きな「知能派」もいた。鳥に近い動物でならば、カラスのように高い知能を持った種類がいたとしてもおかしなことではない。今回は、研究者が想定している知能派恐竜を3種紹介しよう。

Pen最新号は『恐竜、再発見』。子どもの頃に図鑑や映画を通して、恐竜に夢中になった人も多いだろう。本特集では、古生物学のトップランナーたちに話を訊くとともに、カナダの世界最高峰の恐竜博物館への取材も敢行。大人になったいまだからこそ、気付くことや見える景色もある。さあ再び、驚きに満ちた、恐竜の世界の扉を開けてみよう。

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※計測方法

脳は化石には残らないが、脳を収める頭蓋骨の空間「脳函」でその大きさがわかる。脳が大きければ頭がよいとは限らないが、脳函と体の大きさとの比較から推測した。

バンビラプトル

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全長:1.3m
時代:白亜紀後期
北アメリカに生息。後ろ足の第2趾に大きなかぎ爪があるドロマエオサウルス類で、体は羽毛で覆われていた。バンビラプトルはドロマエオサウルス類の仲間でも相対的に脳が大きく、敏捷性と知能が高いことを示している。ただし、幼体化石しか見つかっていないため、脳の大きさは過大評価されている可能性がある。

アロサウルス

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全長:12m
時代:ジュラ紀後期
現在のアメリカやポルトガルに生息していた、ジュラ紀後期では最強の大型肉食獣脚類だ。近年の研究では、脳の構造が鳥よりもワニに近く、低周波数の音を聞き取る能力に長けていたことがわかってきた。嗅覚は他の肉食恐竜と比べると平均的だった。

トロオドン

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全長:2.4m
時代:白亜紀後期
体の大きさに対して脳容量が大きく、相対的な脳の大きさは鳥類のエミューと同じくらいだった。両目は正面方向を向いていて立体視能力があり、物をつかむ3本指の前肢を備えているなど、知的に進化する動物の条件を持つことから中生代で最も頭がよかったとする説もある。現在のアメリカやカナダに生息していた。

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