“最後の晩餐”を嘲笑? 全身青色の裸の男性が登場した五輪開会式演出に非難殺到…「キリスト教徒に対して非常に無礼」

  • 文:さかいもゆる
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InFocus.ee-Shutterstock

7月26日からパリで開催されている、パリオリンピック2024。日本でも中継放送された開会式の内容が物議を呼び、翌日にはXで「#boycottOlympics」と「#boycottParis2024」がトレンド入りする事態に。何千人ものXユーザーたちが、パリオリンピックをボイコットすると宣言した。

フランス革命で斬首された王妃マリー・アントワネットと思しき女性が自らの血に塗れた生首を抱えて登場するという、あまりにも血生臭い演出が話題になったこの開会式。約3時間半に及ぶセレモニーの中で人々を特に怒らせたのは、十数人のドラァグ・クイーンやLGBTQの人々がレオナルド・ダビンチの名画「最後の晩餐」のパロディーを演じた場面だ。最後の晩餐は聖書でも有名な、キリストと12人の使徒たちによる晩餐のシーンを描いたもの。食卓には全身を青色に塗った裸の男性が登場し、キリスト教徒たちはこれを宗教への冒涜だと激怒。あるXユーザーは「開会式は、すべてのキリスト教徒の恥と平手打ちでした#boycottOlympics 」と憤慨し、Xオーナーのイーロン・マスクも、「キリスト教徒に対して非常に無礼だ」とツイート。フランスの司教会議は「この式典には残念ながらキリスト教の嘲笑と嘲笑のシーンが含まれており、私たちは非常に深く遺憾に思う」と声明を発表している。

SNSのインフルエンサーであるアンドリュー・テイトは開会式が悪魔的であると指摘し、西洋が「悪魔を崇拝している」と非難。「悪魔主義者は西洋を支配し、彼らが悪魔を崇拝していることをあなたに示します。これは陰謀論ではない。彼らは文字通りあなたにそれを見せたのです。この事実が見えていますか?」。

これら多くの抗議の声に対しオリンピックの公式Xアカウントは、これが最後の晩餐を嘲笑したものではないことを示すため、裸の青い男性はギリシャの神、ディオニュソスだと弁明。「ディオニュソスはギリシャの豊饒の神であり、最後の晩餐とは関係ありません」。開会式のアートディレクターを務めたトマ・ジョリーはこのシーンも、「最後の晩餐」をモチーフにしたものではないとコメントしている。

この論争に、青い男性を演じたフランスの俳優で歌手のフィリップ・カトリーヌは自らもキリスト教徒であり不快な思いをした人がいるなら謝るとした上で、「論争がなければ楽しくないだろう」とTVインタビューで語った。これがフランス流のエスプリなのだろうか。ちなみにフランスのマクロン大統領はこの開会式について主催者に「ブラボー、あなたたちはフランスを輝かせた」と称賛のコメントを送っている。

開会式ではほかにも、オリンピックの旗が逆さまに上げられ、韓国が北朝鮮と誤って紹介されるなど、当事者にとっては大問題となるようなミスが立て続けに起きている。

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