米大統領選で、共和党代表のドナルド・トランプが副大統領候補に選んだJ.D.バンスの過去の発言が波紋を呼んでいる。同氏は、2021年7月に米FOXニュースで放映された『タッカー・カールソン・トゥナイト』のインタビューで、カマラ・ハリス現副大統領やピート・ブティジェグら、民主党の女性のことを名指しで「子どものいない惨めな人生を送るキャットレディ」と中傷。民主党はそのような女性たちによって、アメリカのことも惨めにしようとしている、とコメントしている。
女性として、黒人として、そしてまたアジア系アメリカ人としても初の米国副大統領であるハリス氏は、現在59歳。弁護士である夫ダグラス・エムホフのふたりの子どもを育てるステップマザー。今月21日にバイデン大統領が大統領選での再選を断念し、後任の民主党代表としてハリス氏を支持することを表明。その後わずか数日間で約126億円の選挙資金を集め、SNSを駆使したキャンペーンでは、Z世代やハリウッドセレブからの支持が高まっている。
そんなハリス氏へのバンスの過去の発言は、彼女だけでなく多くの子どものいない女性たちからの反発を買い、ハリウッドでもジェニファー・アニストンやウーピー・ゴールドバーグ、ウーピーとTV番組『The View』の共同ホストを務めるアリッサ・ファラ・グリフィンなどのセレブが抗議のコメントをしている。
ジェニファーはインスタグラムのストーリーで、「こんなことをアメリカの副大統領候補が言うだなんて、本当に信じられません」と、番組のSNSのスクリーンショットの画像とともに投稿。「私が言えるのは、バンスさん、あなたの娘がいつか、自分の子どもを産むのに十分ラッキーなことを祈ります。彼女が2番目の選択肢として、体外受精に頼る必要がないことも願っています。あなたは彼女からそれを奪おうとしているからです」と続けた。
ジェニファーは2022年に雑誌インタビューで、元夫ブラッド・ピットとの結婚生活の中で、長年不妊治療をしていたことを明かしている。そしてバンスが所属する共和党の代表者のほとんどは、体外受精法の法案に反対票を投じているのだ。
ウーピーは『The View』の番組内で、この一件について「何らかの理由で子どもを産まないことを選択した人々もいれば、子どもができなくても持ちたい人もいます。よくもまあ」、とコメント。「あなた(バンス氏のこと)は赤ちゃんを産んだことがないですよね。あなたの奥さんは赤ちゃんを産んだかもしれないけど、あなたは赤ちゃんを産んだことがないんだから、あなたは子どもを持つということについて、何も知らないと言えます。よくもまあ、こんな意見が言えたものね」。
ウーピーはそれに続けて、アメリカの歴史上、ジョージ・ワシントン大統領、ジェームズ・ポーク、ジェームズ・ブキャナン大統領(結婚したこともなかった)、アンドリュー・ジャクソンを実子を持たなかった人物だったと指摘。「他に誰が(生物学的な)子どもがいなかったか知ってる? ジョージ・ワシントン、私たちの国の父よ。あなたは彼が何をしたか知ってる? 彼はカマラのように、彼はマーサ(ワシントン)の子どもたちを育てたのよ」。
また、ハリス氏の継娘であるインフルエンサーのエラ・エムホフ(25歳)は、インスタグラムのストーリーで、「コールと私のように可愛い子どもがいるのに、どうして子どもがいないだなんて言われるのか」と、母親を擁護。「私は3人の両親を愛しています」。
トランプ元大統領も過去に何度も女性蔑視発言が問題になっているだけに、これで共和党陣営はフェミニストたちからの票を大量に失うことになる可能性は高そうだ。
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