ノルウェーで行われたサッカートップリーグの試合が、開始からわずか30分で中止となった。その理由は、意外にも「かまぼこ」にあったーー。
7月21日に行われたノルウェー1部リーグ、ローゼンボリ対リレストローム戦。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)に不満を示した両サポーターたちが、試合のピッチに“かまぼこ”や"テニスボール”を投げ込む異例の抗議を行った。この事態により、試合は一時中断を余儀なくされ、最終的には中止が決定された。
VARに対する激しい抗議が引き起こした異例の中止
サッカーの試合ではお馴染みになったであろうVAR。この抗議はそんなVARの使用に抗議するために行われたものだ。事件はキックオフ直後から始まった。
両サポーターは「VARなんてクソ食らえ!」と大声をあげ、試合中のフィールドにかまぼこを投げ入れ、VARへの不満を示した。選手たちは控え室に引き上げるはめになり、会場からは試合放棄の警告が流れたが、抗議の勢いは収まらず、テニスボールや発煙筒を投げられるなど事態はエスカレート。無観客での試合続行も検討されたが、試合は4度の中断後に中止となった。
当時の様子を捉えた動画を見ると、試合会場には「私たちは決してあきらめない、VARは無くすべき」と横断幕を掲げたファンの姿を見られ、ピッチには大量のテニスボールやかまぼこが散乱していることがわかる。これには、選手たちも混乱している様子。試合どころではなさそうだ。
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「審判の判定が遅れる」
VARは2016年9月に審判の重要な判定を補助するために公式に導入されて以来、サッカーの試合に欠かせないツールとなっている。しかし、その導入に対して不満を持つサポーターも少なくない。ESPNは「審判の判定が遅れる」「試合が長時間中断する」などの理由から、VARに対する批判の声が高まっていると報じている。昨年ノルウェーでVARが導入された際には、70以上のファングループから抗議の声が上がったそうだ。
また、スウェーデンでは4月にVAR導入に反対するファンたちからの抗議を受けて、VARの使用を一時停止。スウェーデンサッカー協会のフレドリック・ラインフェルト会長は、VARを「我々の未来」と宣言していたものの、自国の大会にVARを導入しない方針を明らかにした。スウェーデンの元首相であるラインフェルト氏はAftonbladetに対し、トップ32チームの半数以上がVARに反対していると語った。
「私の数え方が正しければ、18のエリートクラブと2つの地区がVARを導入したくないと話している。我々はそれを尊重する」
「だからこそ、前回の代表者会議ではVARに関する提案を持ち出さず、今後もそれを予見していない。私は、ゲームの民主的なルールを尊重することを支持します」
ノルウェーサッカー協会の反応
一方、ノルウェーサッカー協会の関係者はこのようなファンたちの身勝手な行動を強く批判している。「サポーターのやり方は間違っている。試合を中止させ、チームのプレーを妨害する行為はサッカーそのものを台無しにする」と怒りを表明した。
サッカーの試合で頻繁に物議を醸すVAR問題。今回のような抗議行動が、今後のVAR導入や運用にどのような影響を及ぼすのか、引き続き注視する必要があるだろう。
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