ブラジルで大規模水害からの復興に向け、シンボルとなった馬の絵とは?

  • 文:仁尾帯刀
Share:

CANOAS カノアス/ブラジル 

5-caramelo.jpg
濁流の中、馬が屋根に取り残される様子を描いた。現場のカノアスは州都ポルト・アレグレに隣接する川沿いの街。 @ acuniart

5月にブラジル南部リオグランデドスル州を襲った洪水は、約61万人を避難させる甚大な被害をもたらした。住民と同様にペットや家畜など多くの動物も生命の危機にさらされたが、そんななか1枚の絵が注目されている。

村で飼われていた馬のカラメロが、濁流に飲まれた建物の屋根に取り残されている様子が国内外のニュースで紹介されると、アルゼンチン人画家ホセ・アクーニャさんがわずか半日でその模様を描写。作品をオークションにかけ約400万円で売却し、全額寄付したのだ。被災地が牧畜の盛んということもあり、その絵は、復興の象徴として被災者らの希望となっている。

6-caramelo02_2.jpg
屋根に4日間取り残された後、消防士たちに救出された。馬は地元の大学施設でケアされ、復興のシンボルとして連日その様子が報じられる。 © CBMRS

※この記事はPen 2024年8月号より再編集した記事です。