【Penが選んだ、今月の音楽】
『クニコ・プレイズ・ライヒ II』
打楽器奏者でありながら、他の楽器も演奏して多重録音。通常はそうしたイレギュラーな演奏を認めていないスティーヴ・ライヒだが、加藤訓子の録音は自ら確認してリリースを快諾してきた。同シリーズの最新作。ヴィブラフォンで演奏した「ピアノ・フェイズ」は、ライヒ作品の面白さを誰よりわかりやすく伝えてくれる最高の演奏だ。「4台のオルガン」は過去のすべての録音がベールに覆われていたんじゃないかと思えるほどで作品観を一新。機械並みに正確でありながら、人間的な味わいもある驚異の演奏が堪能できる。
※この記事はPen 2024年8月号より再編集した記事です。