ザ・キタノホテル東京のメインダイニングがオープン! あたたかな気持ちになれる、身体に優しいフレンチ

  • 文:植田沙羅
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東京とニューヨーク、ふたつの世界的な文化都市で愛されるスモールラグジュアリーホテル「ザ・キタノホテル」。東京・永田町に構える「ザ・キタノホテル東京」のメインダイニングが、7月17日に装い新たにオープンする。

光庵内装。個室含む全46席はご朝食会場にも.jpg
新たにオープンするメインダイニング「L’Orangerie 光庵(オランジュリー こうあん)。明るい陽光が差し込む、心落ち着ける空間ながら、一つひとつのインテリアや壁に飾られるアートには確かなこだわりが見られる。

1964年に高級アパートメントホテルの草分け的存在として誕生した「北野アームス」。国会議事堂や最高裁判所など日本の中枢といえるエリアのほど近く、永田町で長らくその歴史を紡いできた。創業から50年を超え、2019年にラグジュアリーブティックホテル「ザ・キタノホテル東京」として生まれ変わった後も、世界の厳選されたホテルやレストランが加盟する協会ルレ・エ・シャトーに、東京のホテルで唯一名を連ねるなど、グローバルスタンダードなおもてなしで独自の存在感を放っている。

そんなザ・キタノホテル東京のメインダイニング「オランジュリー 光庵」が来る7月17日にオープンする。ホテル2階の東南角部屋に位置するレストランは、明るい朝陽が差し込む居心地のいい空間。かつて貴族の邸宅にあった、貴重な植物を大切に守り育てた「オランジュリー(温室)」のイメージと、光にあふれる「庵」という意味合いの日本語を組み合わせ、その名を冠した。個室1室を含む全46席のレストランには、肩肘を張らず料理を楽しめる空気が漂っている。

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和牛カルパッチョ ひよこ豆とデーツのスパイスドレッシング。フランス料理でありながらも和の食材とスパイスを融合させた挑戦的なひと皿。料理はコースの一例。
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アミューズブーシュ。きゅうりとライムの冷たいコンソメ、タルトレット パンナコッタオニオン、タップナードを詰めたミニフォカッチャ。まるで箱庭のような装いはどこか日本らしく、目にも美味しい。ランチはメインを選べる4品のコース(¥6,000)と、肉と魚のどちらも提供される5品のコース(¥8,000)がある(ともにサービス料別)。

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ディナーで提供される、岡山県産岩本牛の網焼きと山形米沢野菜。素材の旨みを存分に活かしながらも軽やかに仕上げている。¥15,000のコースに加えてアラカルトメニューも用意しているので、好みやその時の体調に合わせて追加するのもいいだろう。

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提供される料理のコンセプトは、旅で疲れた胃腸も癒す、身体にやさしいフレンチ。近年注目される、ガストロノミーのような質の高さがありながらも、ビストロのような気軽さを兼ね備えた“ビストロノミーレストラン”を目指す。そのため、昼はコースのみの提供となるが、夜はコースのほかにアラカルトメニューも用意。ペアリングコースではノンアルコールを選ぶこともできるほか、予約制ではあるがビーガンメニューもあり、幅広いゲストの要望に応えてくれるところも、ザ・キタノホテル東京らしいホスピタリティを感じさせる。

また宿泊したゲストのみに提供される朝食にもオランジュリー 光庵のこだわりが光る。和と洋の2種類から選べる料理は、そのどちらにも自家製キタノヨーグルトと季節のスムージー、フレッシュりんごのコンポーテ、フルーツサラダが添えられ、まさに素材のよさが身体に染み渡るような味わい。朝の目覚めにぴったりなフレッシュな美味しさが広がり、ホテルステイの”楽しみ”を享受できる。

洋食)パン、お好みの卵料理(オムレット、目玉焼き、スクランブルエッグ、ウフコック)、自家製キタノヨーグルト、季節のスムージー、フレッシュりんごのコンポーテ、フルーツサラダ、お飲み物.jpg
和食)魚2種、温泉卵、漬物2種、野菜煮付け、佃煮、冷奴、ご飯(越宝玉)、季節のお味噌汁、自家製キタノヨーグルト、季節のスムージー、フレッシュりんごのコンポーテ、フルーツサラダ.jpg

左:食パンを日本に広めた現代の名工・藤森二郎の流儀を継承したFujimoriのパンなど、随所にこだわりを感じさせる洋朝食。 右:和朝食は二種類の焼き魚に野菜の煮付け、季節の味噌汁など、まるで昔ながらの旅館の朝食のようなほっとする味わい。白米は厳選された2㎜以上の大粒のコシヒカリ「越宝玉」を土鍋で炊いていて、色艶や甘みはもちろん、しっかりとした食感も魅力だ。

料理長を務めるのは、スイスの三ツ星レストラン「ロテル・ドゥ・ヴィル」などで研鑽を積み、2007年からカンボジア王族所有の「ラ・レジデンス」で14年間総料理長として手腕を振るった加茂健。フランス農事功労章シュヴァリエ叙勲シェフである加茂が、アドバイザーを務めるフランスの名店「ラ・ピラミッド」のパトリック・アンリルーシェフの下、本場の空気を感じながら新メニューを完成させた。

オープン日の7月17日から20日までは、ランチ・ディナーともに開業時限定コースメニューの提供となるので、この特別な4日間に足を運ぶのもいいだろう。正統なフランス料理をもとに、日本ならではの旬の食材を組み合わせたオリジナリティあふれる料理の数々。その目にも楽しく軽やかなひと皿に、身も心もつかまれるはずだ。

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左:加茂健。ホテル総料理長兼オランジュリー 光庵料理長。銀座レカンにて修行をはじめ、1999年に渡欧。スイスの三ツ星レストラン「ロテル・ドゥ・ヴィル」や「ネプチューン マンダリンオリエンタルホテル」などで研鑽を積み、2007年にカンボジア王族所有の「ラ・レジデンス」へ招聘。立ち上げより13年間料理長を務め、各国の王族や要人をもてなし、フランス料理の普及への貢献により、2017年フランス農事功労章シュヴェリエを叙勲した。 右:パトリック・アンリルー。フランス・ヴィエンヌの歴史的名店「ラ・ピラミッド」のオーナーシェフ。1822年に創設した同店において、弱冠29歳でシェフに抜擢され、ミシュラン二ツ星獲得に大きく貢献した。1996年には『ゴ・エ・ミヨ』の今年の料理人に選出。2003年にはフランス国家功労章最高位「レジオン・ドヌール」勲章を叙勲。ルレ・エ・シャトーの副会長も務めた。ザ・キタノホテルにおいては人材育成アドバイザーとして携わる。

ザ・キタノホテル東京 オランジュリー 光庵

住所:東京都千代田区平河町2-16-15 2F
TEL:03-6261-7096(ザ・キタノホテル東京 ティーラウンジ佳風)
定休日:日、月(火はランチのみ営業)
https://www.kitanohotel.co.jp/tokyo/