「ポエトリー オブ タイム(詩情が紡ぎだす時)」という哲学の下、ヴァン クリーフ&アーペルは独創的な時計づくりで我々を新たな物語へと誘う。それは美しく、感動に満ちた壮大な時の旅である。
レディ アーペル ジュール ニュイ ウォッチ
背景の回転ディスクは、ムラーノガラスの技法によるアベンチュリンガラスにダイヤモンドで月と星をあしらい、太陽はイエローサファイアをスノーセッティングする。地平線を思わせる緩やかなカーブを描く下半分には、放射状のギョーシェを施したホワイトマザーオブパールで飾る。基本スタイルは変えることなく、熟成進化によって美の完成度を極めた。
レディ ジュール ニュイ ウォッチ
小径化と薄型化した新サイズが誕生。回転ディスクにはダイヤモンドを敷き詰めた月と星、放射状のギヨーシェが施されたイエローゴールドの太陽を配し、文字盤の下半分はブルーペイントされたマザーオブパールで覆う。新採用のシースルーバックには、エナメルデカールの妖精を配置。
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唯一無二の創造性を支える、メティエダールの職人技
この春発表されたヴァン クリーフ&アーペルの新作は、見る者を優美な時の旅へと誘う。
2種類の「ジュール ニュイ ウォッチ」は、2008年に誕生したモデルを再解釈する。時分針の背景では24時間をかけて太陽と月が交互に表れ、1日という時の移り変わりを詩的に伝える。天空のドラマは時の概念の起源であり、はるかなロマンを呼び覚ます。
そして旅は、天空から爽やかな夏の朝のガーデンへと導かれる。「ブリーズ デテ ウォッチ」は、プッシュボタンで咲き誇る花がそよ風に揺れる中、時刻を示す2匹の蝶が飛び交う。さらに森へと進むと、「ジュール アンシャンテ ウォッチ」では、朝の光を浴び、妖精が花を摘む光景が広がる。一つひとつの時計にこうしたストーリーがあり、メゾンの美学を映す世界観で統一される。その物語を紡ぐ言葉こそメティエダールである。
ヴァン クリーフ&アーペルは、芸術的な職人技であるメティエダールの継承に取り組み、エナメル、ミニアチュールペインティング、マルケトリ、彫刻、エングレービングといった伝統的な技術をさらに磨き上げ、革新している。自社に世界最高峰のエナメル工房を設けるのもそのためだ。
新作ではふたつの独創的なエナメル技法を開発し、美しさを彩る。そのひとつが特許を出願中の「ファソネ エナメル」である。
従来、立体的な造形の難しかったエナメルを複雑な工程と微細な温度管理によってボリュームと透明感を出すことに成功した。開発に16カ月をかけた新技術を「ジュール アンシャンテ ウォッチ」の文字盤のピンクの花びらに注ぐ。
もうひとつの技法が「セッティング イン エナメル」で、透明エナメルからなる「プリカジュール エナメル」に留め具を使わず、直接ダイヤモンドをセットする。浮かび上がったように輝きを際立たせる独自の技法には24カ月を要した。こうしたメティエダールの継承についてプレジデント兼CEOのニコラ・ボスはこう説明する。
「新作を通して、エナメル技法の多彩な表情や美の可能性を広く伝え、私たちのさまざまな革新的な取り組みを知っていただきたい。そして卓越したサヴォアフェールとしてのノウハウ、クラフツマンシップを感じていただくとともに、それはまさに熟練の手仕事への私たちの強い思いであり、技とともに継承する精神なのです」
そして伝統を維持し継承を中心に据えることが、メゾンにおける新たな創造性にもつながることを確信するとボスは語る。こうしたメティエダールが文字盤に新たな物語を紡ぎ、さらに内に秘めた精緻な技術が時計に命を吹き込む。この両者の融合が唯一無二の「ポエトリー オブ タイム」を刻み続けるのである。
レディ アーペル ジュール アンシャンテ ウォッチ
文字盤には、朝の光の最初の一筋を浴びながら花を摘む妖精の優美な姿を表現した。朝露を帯びた透明な「プリカジュール エナメル」の葉には「セッティング イン エナメル」、咲き誇るピンクの花は「ファソネ エナメル」という2種類の新技法を駆使。インダイヤルの太陽が放つ光線は、留め具を表に出さない革新的な技法「リフティッドセッティング」によって固定する。
レディ アーペル ブリーズ デテ ウォッチ
文字盤には庭園に咲き誇った花がさまざまな貴石とエナメルで描かれ、時刻は指針ではなく、「プリカジュール エナメル」による2匹の蝶が外縁に記された数字の位置で表示する。絵画のような美しさに加え、オンデマンド式のオートマタモジュールを内蔵し、ケース側面のプッシュボタンを押すと、花がそよ風に揺れ、蝶は交互に羽ばたき、再び時刻表示の位置に戻る。
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華麗な舞いで魅了する、ジュエリーとオートマタの出逢い
生物や自然界の動きを機械仕掛けで再現するオートマタは、ヴァン クリーフ&アーペルが創業した1906年当初から手掛けるオブジェの系譜であり、永遠の生命への挑戦は詩情あふれる時の追求と対を成す。制作で2017年からパートナーシップを組むのが、現代オートマタの第一人者フランソワ・ジュノだ。今回発表したふたつの新作に共通するキーワードは“軽さ”だとジュノは言う。
「ジュエリーで装飾するオートマタは通常よりも重くなり、これまでも高いハードルでした。しかし協業を重ねてきた中、軽量化が実現し、動作メカニズムもよりコンパクトになりました。設計にデジタル技術を導入し、素材もかつてはシルク糸だったものをタングステンに変えるなど、精度と正確性も向上しています」
花のように開いていくブーケの動きはなめらかかつ軽快だ。しかし軽量になったおかげで、むしろ創造性は刺激され、デザインや構造はより複雑になった。
「ミクロンレベルの精密さなので、極小のパーツ同士が触れないようにするのがとても難しかったですね。そして完全に開き切った状態から再び閉じていく動きも、通常だとパタッと戻ってしまうものをゆっくり動かすために、完成までとても時間がかかりました」
どれだけ最新技術を使っても、こうした温もりを感じさせる動作は培った経験とノウハウを注ぎ、人の手でつくっては確認、調整を繰り返す以外方法はないと話す。
「もしかしたらロボットのように作られているのでは?と思われるかも知れません。でもすべて手作業で、伝統的な技法でこれを実現していることをぜひ理解してもらいたいですね」
アパリシオン デ べ オートマタ
ダルメシアンジャスパーの土台に置かれたチューライトのボウルの上に、112枚の葉からなるドームがあり、オンデマンドでこのブーケが螺旋状に徐々に広がる。その中から現れた一羽の鳥が羽ばたいた後、葉がゆっくりと閉じていく。この間にはカリヨンがメロディを奏でる。時刻の計時は、回転リングを土台に設け、そこに刻まれた時分表示の目盛りを小枝に止まった蝶の位置で読み取る。
ブトン ドール オートマタ
ピンクのチューライトの土台にバイオレットのチャロアイトのボウルを備え、メゾンの伝統的なモチーフである“パイエット”を再解釈。スパンコールを模した凹凸にラッカー装飾を施し、繊細に束ねて光り輝くゴールドのブーケを形作った。開くと、ダイヤの髪飾りとブルーラッカーで縁取られたローズゴールドのガウンを纏う妖精が現れ、「プリカジュール エナメル」の翼を羽ばたかせながらダンスを舞う。
ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク
TEL:0120-10-1906
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