1.CHANEL(シャネル)
J12 キャリバー 12.1
高耐性ホワイトセラミックでまとめた躯体をイエローゴールドが華麗に引き立てる「J12」の新作。18KYG製の逆回転防止ベゼルは白色を塗布したサファイアクリスタルをインサートに用い、ホワイトラッカーダイヤルにはゴールドプレート仕上げのインデックスで立体感を出した。18KYG製のねじ込み式リューズにはセラミックのカボションを添えた。
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2.OMEGA(オメガ)
シーマスター プラネットオーシャン
オメガが世界で初めて成功させた独自の技術「セラゴールド」による、ホワイトセラミックにローズゴールド(オメガ独自のセドナゴールド)をセットした逆回転防止ベゼルが、美しい存在感を放つ。ヘリウムエスケープバルブ付属の本格的な防水性能に加え、ムーブメントの「キャリバー8800」はMETASの厳格な検査に合格した「マスター クロノメーター」認定。
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3.BREITLING(ブライトリング)
スーパー クロノマット B01 44 ジャパン リミテッド
「スーパー クロノマット」の特徴であるセラミックインサートとラバーストラップをホワイトに仕立てた、日本向けだけの特別仕様。ベゼル、クロノグラフのプッシュボタン、リューズもホワイトとレッドゴールドで統一し、計器らしい武骨なディテールを爽やかかつラグジュアリーに一変させた。COSC認定の高精度ムーブメント「キャリバー01」を搭載。
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夏が近づくと俄然注目を集めるのが、ホワイトにゴールドを利かせた洒脱な腕時計だ。白と金の組み合わせは、ドレッシーかつスポーティであり、ビーチやリゾートではもちろん、シティユースでも抜群に映える。たとえばネイビーのセットアップといったワークスタイルから、サマーニットやTシャツなどのカジュアルな休日スタイルまで、爽やかな薫りとともにさりげないラグジュアリー感を添えてくれる、夏の万能ウォッチだ。
そもそもこのカラーコードは各国海軍の夏服の定番でもある。アメリカもロシアもオーストラリアも、そして日本の自衛隊も夏の常装は白に金ボタンと決まっている。将校ら幹部が行事の時に着る長袖の上着ならば、金筋の肩章がまぶしく光る。その凛とした色使いのオーラは腕時計でも共通だ。
高級腕時計の世界でこのカラーパレットが本格的に使われ始めたのは、それほど昔のことではない。きっかけは、セラミックが腕時計の素材として駆使されるようになってからだ。焼成して仕上げる技術の進歩により、ケースそのものであったり、ベゼルのインサートに用いたりと、可能性の幅が広がった。発色や研磨のレベルが上がったことも大きな要因で、セラミックのツヤとゴールドの相性は抜群だ。ホワイトセラミック製のブレスレットの選択が叶えば、高温多湿な夏でも装着感は悪くない。
黒×金だとややコワモテな印象になるところ、白なら爽やかさや清潔感が強調されるので、ラグジュアリーでも“これみよがし”になることもないのだ。
並木浩一
1961年、神奈川県生まれ。時計ジャーナリスト。雑誌編集長など歴任し、2012年より桐蔭横浜大学の教授に。新著に『ロレックスが買えない。』。※この記事はPen 2024年7月号より再編集した記事です。