LEXUSがミラノで魅せた、音と光が織りなす唯一無二の体験

  • 編集&文:井上倫子
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レクサスは「タイム」をテーマにふたつのインスタレーションを展開。吉本英樹と渋谷慶一郎による『ビヨンド ザ ホライズン』とマーヤン・ファン・オーベルによる『8分20秒』だ。

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吉本英樹 デザイナー
2010年、東京大学大学院修士課程修了、同年に渡英し、
15年に「Tangent」設立。16年、英ロイヤル・カレッジ・オブ・アート博士課程修了。20年、東京大学・先端科学技術研究センター特任准教授に着任し、先端アートデザイン分野を担当。
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渋谷慶一郎 音楽家

東京藝術大学作曲科卒業。2002年に音楽レーベル ATAKを設立。作品は先鋭的な電子音楽作品からピアノソロ、オペラ、映画音楽、サウンド・インスタレーションまで多岐にわたり、東京・パリを拠点に活動を行う。

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マーヤン・ファン・オーベル デザイナー

2009年、へリット・リートフェルト・アカデミー卒業。12年にロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで修士を取得。20年ドバイ万博のオランダ館の屋上など、太陽光発電に着目した作品を発表。アムステルダムを拠点に活動している。

世界の一流デザイナーが集まるミラノデザインウィークに今年もレクサスが出展。屋外にはマーヤン・ファン・オーベルによるインスタレーション『8分20秒』、屋内にはタンジェントの吉本英樹がデザインを手掛け、渋谷慶一郎が会場の音楽を担当した『ビヨンド ザ ホライズン』が登場し、大きな話題を呼んだ。

吉本はレクサスデザインアワードの第一回目の受賞者。レクサスとは長い付き合いだという。

「レクサスは、多くを語らずに攻めの姿勢で臨む、武士のようなブランド。その新境地を、音と光の空間で表現しようと考えました」

1989年の誕生以来、レクサスはラグジュアリーカーの常識を打破する挑戦を続けてきた。インスタレーションのテーマは「タイム」。ハードウェアとソフトウェアが統合されることで、クルマでの体験の可能性を広げるというコンセプトだ。クルマは今後、単なる移動手段ではなく、特別な時間を過ごす空間となる。

会場の中心にはレクサスの次世代バッテリーEVコンセプト「LF-ZC」が置かれ、さらに人の動きに光と音で応える10体のスカルプチャーが一列に並ぶ。壁面の光は日の出から日没のように移り変わり、さらに渋谷の電子音楽が重なり合う。渋谷はこう語る。

「31個のスピーカーからは10分10秒の音楽とサウンドが無限に変化し空間を動き続ける『Abstract Music』というサウンドインスタレーションの二種類があり、さらにトルソーの前に立つと音が発せられます。必然性と偶然性が同居する空間を目指しました」

『ビヨンド ザ ホライズン』の名のように、偶然性を加えることで無限に続く水平線を表現した。今回のプロジェクトを担当したレクサスの須賀厚一も、無限という言葉に魅力を感じていた。

「これからのクルマはソフトウェアによって可能性が広がっていく。この空間のように、いままでにない体験をもたらすでしょう」

 夜明けから日没へと変化する水平線の移ろい、その彼方への案内人としての「LF-ZC」と10体のスカルプチャー、音楽が三位一体となる。決して同じ瞬間がない空間で、レクサスの世界が表現されていた。

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刻々と変わる、音と光の世界

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太陽光で、次世代のクルマを表現

会場の屋外では、マーヤン・ファン・オーベルによる作品『8分20秒』を展示。太陽の光が地上に到達するまでの時間から名付けられており、太陽光によって色が変化するシートがレイヤー状に連なっている。見る角度や時間帯によって変化する作品だ。

 

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吉本と渋谷による『ビヨンド ザ ホライズン』。会場には越前和紙の大きな壁面があり、色を変える。LEXUSの次世代バッテリーEVコンセプト「LF-ZC」の近くに並べられたスカルプチャーは訪れた人の動きに光と音で反応。渋谷による音楽が没入感のある世界へと誘う。

レクサスインフォメーションデスク

TEL:0800-500-5577