ロンドンを拠点とするファッションブランド、COS(コス)が京都の絞り染め職人、田端和樹(たばたかずき)とのコラボレーションを発表し、カプセルコレクション「COS × TABATA SHIBORI」を6月5日(水)より発売する。
コレクションは、COSのメンズウエア、ウィメンズウエア、アクセサリーを網羅した14点から構成。ブランドのシグネチャーアイテムに「雪花(せっか)絞り」と「手筋(てすじ)絞り」という技法を用いた絞りの模様が施され、伝統工芸とCOSのモダンデザインが融合した新たなコレクションが誕生した。



COSは、発売に先駆けて京都芸術大学にてメディア向けプレゼンテーションを開催。
コラボレーションの経緯について、COSのデザイン・ディレクターを務めるカリン・グスタフソンは、「“絞り染め”というものを知ったのは大学生の時。今回のコレクションは、インスピレーション源として自然や水、というキーワードが出てきて、絞り染めの存在がアイデアとして浮かんできました」と説明。クラフトマンシップという点からも魅了され、リサーチを進める中で田端に辿り着き、SNSからやりとりが始まった。
絞り染めを服に落とし込むにあたっては、「絞り染めの流れるようなシルエットを実現することを重視し、布地が持っている魅力をいかに高めるか、柔らかくルーズなシルエット、浮遊感を出すことを心掛けました」と語った。
一方で、1000年以上続く伝統工芸、絞り染めは、後継者不足が長年の課題だ。田端は現在44歳だが、その次に若いのは田端の父であり、74歳となる。もともと100を超える染めの種類があったが、いま残っているのはわずか数十種類だという。
---fadeinPager---


そんな中、コラボのオファーについて田端は「絞り染めは手仕事なので、技を習得するまでに時間がかかり、最後まで続く人がなかなか出てきません。さらに着物や染色の需要も少なくなっているので、この技術をどこで発揮できるのだろうかと悩まされていましたが、このような可能性を見出していただき、非常に嬉しく思っています」とコメント。
さらに、「絞り染めというのは、プリントをしてもしわや滲み、掠れ具合を再現するのが難しかったのですが、今回本物以上の再現をしていただきました。そして手作業なので、これまでは手の届く範囲の方にしかお届けできず、衰退していく現状もあったのですが、こうしてプリントの技術で再現していただき、世界中で販売されるというのは、多くの方に知っていただける意義もあるのかなと思っています」と、今回のコラボに対する喜びを語った。

アイテムは、COSの公式オンラインショップおよび店舗(一部店舗を除く)にて発売される。
今夏を彩るスペシャルなアイテムを、ぜひ手にとってみてほしい。