絶滅した「神聖な鳥」との愛称を持つ「フイア鳥」の羽根1枚が約500万円で落札された。当初、最高約28万円と予想されていた落札価格を大きく上回り、世界で最も高価な羽根となった。
絶滅した鳥の羽根1枚、約500万円で落札
オークランドにある「ウェブズ・オークション・ハウス」に出品されたこの羽根は5月20日、約500万円の驚異的な金額で落札された。フイア鳥はかつてニュージーランドに生息していた大型の鳥。マオリ族にとって「神聖な鳥」として崇められており、首長やその家族の頭飾りや贈り物、取引に使用されていたという。しかし、一時は89,000羽が生息していたと推定されているが、人間の狩猟によって絶滅。 ヨーロッパからニュージーランドに訪れた人々の間で人気を博した後に、コレクターやファッション商人のターゲットとなったためだという。
ニュージーランド博物館によれば、最後に目撃されたのは1907年。その後20〜30年間は未確認の目撃情報が報告されていたそうだ。この205x45mmほどの1枚の羽根は虫害もなく、「素晴らしい状態でした」と同オークション・ハウスの関係者は語っている。SNSに投稿された画像には、傷ひとつない、一枚の焦げ茶色の羽根が額縁に丁寧に飾られている。
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「二度とこのようなことが起こらないように」と関係者
2010年、ウェブズでオークションされた同種の鳥の羽根が約80万円で落札されていたことから、今回の約500万円での落札はかなりの価値が跳ね上がったことが伺える。また、この羽根はマオリ族の人々にとって文化的に重要なものを保護するプログラム「タオンガ・トゥトゥル」として登録されている。そのため、文化遺産省の許可なく国外に持ち出すことはできない。
オークション・ハウスの装飾美術部門責任者リア・モリスさんは、ニュージーランド人の高い関心と熱意がこのオークションの落札額を押し上げたのではないかと語る。
「ニュージーランドでは、土地や環境、動植物の世話をとても大切にしています」
さらに「この鳥が絶滅したからこそ、ニュージーランドの他の鳥を見て、二度とこのようなことが起こらないようにと言うのだと思います」と付け加えた。
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