果物や野菜の生産から販売を行うフレッシュ・デルモンテ・プロデュース社が、400ドル(約6万2000円)の高級パイナップルの販売をアメリカで開始した。1月に中国で先行発売しており、現段階ではこの2カ国でしか手に入らない。
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「赤く輝く」パイナップル
デルモンテの新製品は「ルビーグローパイナップル」。ルビーのように深い赤色の皮に、鮮やかな黄色の果肉のコントラストが特徴的だ。16年にわたる研究を経て誕生した。
一般的なパイナップルと、食用に適さないモラーダ種のパイナップルを交配した品種で、遺伝子組み換えではない。収穫までに2年要するうえ、コスタリカの農場でのみ栽培されるため、市場に出回る数は非常に少ない。デルモンテによると、2024年に5000個、2025年に3000個を出荷予定だという。
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中国市場への参入が狙い
旧正月に合わせ、デルモンテが中国で「赤い」パイナップルを先行発売したのには理由がある。消費力の大きい中国市場で、デルモンテ産高級フルーツの人気確立を見据えているためだ。
同社は、中国市場を「希少で高級なノベルティ商品に価値を見出す」傾向が強いと分析している。会長兼CEOのモハマド・アブ・ガザレ氏は「ルビーグローパイナップルは中国市場で存在感を示すのに最適な商品」だとコメントした。
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ネットの反応はさまざま
ルビーグローパイナップルは、デルモンテのパイナップルに共通する「甘い風味」も備えているという。希少なフルーツを販売するメリッサズ・プロデュースはInstagramでルビーグローパイナップルを紹介し、その味について「おいしくて甘い。見た目も美しいけれど、味も美しい」と評価した。
ネットでは400ドルという高値に対し「で、ピザに乗せるんでしょ」「パイナップルに400ドル? 食紅を使うよ」「パイナップル苦手でよかった…」など、皮肉めいた反応があった。
「クレイジー(な値段)だと思う? 日本の夕張メロンの値段を調べてごらん。90ドルのものを食べたけど、すばらしかった。誇張ではなく、今まで口にした中で最高の食べ物のひとつだよ」と、無茶な価格設定ではないという意見もあった。
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高級フルーツの台頭
デルモンテは2021年、「ピンクグローパイナップル」という果肉がピンク色の品種も発売している。カクテルやフルーツサラダがフォトジェニックだと、話題になった。アメリカとカナダのみで入手可能だ。
発売当初、価格は50ドル(当時約5100円)だったが、生産量が増えたこともあり、今は29ドル(約4600円)に値下がりした。とはいえ、パイナップルにしては高価である。
ここ10年ほどかけて、高級フルーツの需要も供給も増えているとCNNは報じている。アメリカでは、日本のイチゴやトマトも人気だ。
日本の品種をアメリカで栽培して販売している日本発のスタートアップ「Oishii Farm(オイシイファーム)」は今年2月、200億円の資金調達を発表した。同社のイチゴは1パック15ドル(約2400円)前後で販売されているが、高級スーパーに並ぶとすぐに売り切れるという。
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