「大人の名品図鑑」ボブ・マーリー編 #3
伝説のレゲエミュージシャン、ボブ・マーリーの生涯を映画化した映画が公開される。『ボブ・マーリー:ONE LOVE』だ。すでに公開された全米などでの興行収入は初登場No.1を記録、日本でも話題になることは必至。今回はこの映画にも登場する、ボブ・マーリーが愛用した名品について解説する。
アスレチック(Athletic)とレジャー(Leisure)を組み合わせた「アスレジャー」がカジュアルスタイルの主流となり、スポーツウェアを普段着として着用している人が多いが、これを早くから実践していたのがボブ・マーリーだ。映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』の舞台となったのは1970年代後半で、いまから50年近く前のこと。2024年3月にアップされた『Esquire』のウェブ版で、ボブ・マーリーのトラックスーツの話が掲載されている。そこには「私が知る限り、ヒップホップやラッパーがそのスタイルを取り入れるずっと前から、マーリーはグラウンドの外で頭からつま先までスポーツウェアを日常着に取り入れた最初の人物だった」とアディダス社のプロダクトチームの一人が語ったと書かれている。
「ボブ・マーリーは時代を先取りして、スポーツウェアに目がなかった。いろいろな場面で着用していた」と語るのは、この作品で衣装を担当したアンナ・B・シェパード。彼女は『シンドラーのリスト』(93年)や『戦場のピアニスト』(02年)、『マレフィセント』(14年)などで3度アカデミー衣装デザイン賞にノミネートされるという華々しい実績を持つ人物。彼女はボブの象徴でもあったアディダスのウェアについてくまなく調べ上げ、「サッカーするときや、ギターを抱えてソファでくつろぐときにもアディダスを着ていた。長ズボンのみのこともあれば、全身アディダスのときもあった」と話す。
映画の中でもボブを演じたキングズリー・ベン=アディルはレコーディングスタジオや居間で曲をつくるとき、あるいはクルマを運転するときに、はっきりと「スリーストライプス」とわかるアディダスのトラックスーツを着用している。
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多彩なラインナップが揃う、アディダスのトラックスーツ
「トラックスーツ」とは、アスリートがトレーニングや実際の競技の前後、たとえばウォームアップやクールダウンに使用するためのスポーツウェアの一種だ。トップスとパンツがセットでデザインされており、速乾性や動きやすさなどの機能性を考えて、ポリエステルやナイロンなどの素材を用いたものがほとんど。日本では昔は「ジャージ」と呼ばれていたが、本来ジャージとは伸縮性のある厚手のメリヤス編地のことだ。
『アディダスVSプーマ もうひとつの代理戦争』(バーバラ・スミット著 ランダムハウス講談社)ではアディダスの創業者アディ・ダスラーが衣料品を扱うことを渋ったため、この分野への進出が遅れたと解説されている。しかし「ドイツのサッカーコーチから再三依頼され、ようやくトレーニングパンツを作ることに同意したとある。さらに衣料分野にも進出したことで、アディダスはスポーツ産業を一新した」とも書かれている。
また、21年12月にアップされた『Esquire』のウェブ版の記事によると、アディダスがトラックスーツを製作するときに頼ったのが、ドイツ・サッカー界の帝王であるフランツ・ベッケンバウアー。「彼のために赤いパンツとジッパー付きの白いジャケットで構成されたトラックスーツをつくります」と記されている。サッカー好きのボブがこのトラックスーツを見逃すはずがないだろう。
今回はそんなボブが惚れ込んでいたアディダス オリジナルスのトラックスーツの名品を3つ紹介しよう。まずサッカーの帝王へのオマージュを込めた「ベッケンバウアー」モデル、ゆとりのあるシルエットを備えた「ファイヤーバード」モデル、そしてアディダス オリジナルスのトラックスーツの代表的モデルである「スーパースター」。いずれも機能的な素材を使い、着用するスタイルに合わせて、シルエットや素材を選べる多彩なトラックスーツを揃えているところは、スポーツブランドの老舗としての矜持を感じる。いずれも「スリーストライプス」や「トレフォイル」ロゴなど、一目でアディダス オリジナルスとわかるキャラクターを備えたトラックスーツだ。早くからトラックスーツを愛用していたボブがいま生きていたら、どのタイプを選ぶだろうか。
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