玉村本店/志賀高原ビール 其の十
![1_MRE0239.jpg](/uploads/1_MRE0239.jpg)
クラフトビールの魅力を発信するパイオニアとして、愛好家やプロに広く知られている「クラフトビール東京」の代表・川野亮さん。多くのブルワーも一目置く存在だが、気負いがないフラットな物腰が印象的。クラフトビールを追い続けてきたプロの姿勢を保ちつつ、いまでも「ただ好きなだけなんです。クラフトビールは趣味でもあります」と笑顔で言い切る。
ことの始まりは約13年前。当時、勤めていた会社の近くにあったビアバーに出合ったことが転機に。その時に飲んだひと口のクラフトビールが、川野さんの人生を大きく変えた。
「忘れもしない2011年5月26日の木曜日です。初めてクラフトビールを飲んだ日は、思わず日付をメモしたくらい、自分の人生にとって衝撃でした。こんなに美味いビールが世の中にあるなんてびっくり。それから約半年後には手弁当で『クラフトビール東京』を立ち上げるほど、この世界にのめり込んでしいました」
今回、自腹酒としてお薦めしてくれた志賀高原ビールがまさにきっかけの一本。なかでも、「其の十」が川野さんのお気に入りだ。
「非常にアロマが豊かなビールです。最初は山椒のような香りが広がり、時間とともに柑橘系の風味も。温度変化によってさまざまな香りが顔を出すのが面白い。モルトと酒米の旨味が感じられるのもいいですね。料理の味わいを引き立ててくれる食中酒に最適なビールです」
おともは、香りを引き立てる料理がイチ推し。実は料理好きだという川野さん。自身でもつくる、魚介のパエリアとの相性は最高だ。
「パエリアのスパイシーさと、魚介などの素材の香りは『其の十』の風味をさらに豊かにします。このふたつの組み合わせがとても好き」
川野さんは、いかにも幸せそうな表情を浮かべながら、そう教えてくれた。
---fadeinPager---
![2_jibarazake_kawano_240223n.jpg](/uploads/2_jibarazake_kawano_240223n.jpg)
魚介のほか、好みでトマトやアスパラなどの材料を入れ、サフランや塩胡椒を利かせてつくるパエリアをおともにぜひ。鹿児島産の「竜宮の白姫エビ」を使うのが川野さん流。
川野 亮
2011年10月より開始したクラフトビールの専門サイト「クラフトビール東京」の代表。400軒以上の飲食店を訪問し、数多くのイベントや新商品の情報とともに、その魅力を発信し続けている。
クラフトビール東京
※この記事はPen 2024年6月号より再編集した記事です。