全身にボディアートをほどこした67歳の男性が、アメリカおよび欧州のタトゥー・フェスティバルで注目を集めている。
その人物とはアメリカ・ワシントンDC在住のドリュー・パウエルさんだ。南太平洋のマルキーズ諸島伝統の黒い戦士風タトゥーを全身に刻み、またピアスの穴もたくさんあけている。
---fadeinPager---
パウエルさんは若いときから「全身タトゥーだらけ」の人生を送ってきたわけではない。通信関係の起業家だったパウエルさんがボディアートを始めたのは、仕事を引退後、60代になってから。若い時に南太平洋の先住民戦士のタトゥーに興味を持ったものの、すぐにタトゥーを入れることはなかった。
Tattooed warrior of Nuku Hiva, Marquesas Islands, drawn by Hermann Ludwig von Löwenstern or Wilhelm Gottlieb Tilesius, between 1804 & 1806.
— tui (@tuisankamol) January 14, 2022
Nuku Hiva sodalane - Guerrier de Nuku Hiva (1803/1806) https://t.co/IfZcRHcGTO pic.twitter.com/h3OwNJieHh
「仕事上の責任もあり、また私が若かった頃はタトゥーや身体改造にあまり良いイメージがなかったため、自分の(タトゥーを入れたいという)欲求のままに行動しませんでした」
「(しかし、タトゥーが一般的になり)世界が私の考え方に追いついたので、今始めるか、または生涯やらないかを決めることにしました」
「後悔しながら死にたくなかったんです」
パウエルさんはボディアートを始めることを決め、2022年10月から本格的にタトゥースタジオに通い始めた。2週間に1回、8時間ものセッションを続け、現在の「ボディスーツ」を手に入れた。
これまでにタトゥーにかけた時間は220時間、そしてタトゥーと身体改造(ピアス等)に掛けた金額は6万2000ドル(約9700万円)以上!とのこと。
---fadeinPager---
引退後、かつ人生の後半になってからボディアートを始めた「利点」について、パウエルさんは下記のようにコメントしている。
「私には十分な資金があり、時間もあります。自分が何を望んでいるのか正確に分かっていました」
タトゥーが一切ない状態を「きれいなキャンバスだった」と語り、何もなかったからこそ全身に同じデザインのタトゥーを入れ、「ボディスーツ」として統一感のあるアートに仕上げることができた。
---fadeinPager---
パウエルさんの写真を見ると、タトゥー以外にもたくさんのピアスが印象的だ。特に鼻柱を貫通する「セプタム」と言われる鼻ピアスは、驚くほど太い。
DC man, 67, covers body head-to-toe in 'unified bodysuit tattoo' because he doesn't 'want to die with regrets' https://t.co/jnldu5s1nu pic.twitter.com/HQoIrNQwFi
— Daily Mail Online (@MailOnline) April 26, 2024
思わず「鼻、痛くないの?」と言いたくなるほどの太さだが、このピアスは直径2.3cmもあるという。
---fadeinPager---
---fadeinPager---
周囲の反応は…?
60年間、ボディアートのないパウエルさんに慣れていた一部の家族は快く思わなかったが、パートナーはすぐに理解してくれた。彼の場合、顔、首にはタトゥーを入れていない。服を着ているときは人に気付づかれることが少ないため、日常生活に大きな影響はないという。
本格的にタトゥーを入れ始めて以来、タトゥーアーティストのブッチさんとタッグを組み、南太平洋の先住民風のボディスーツを完成させた。
---fadeinPager---
「先住民文化を尊重することについては、私たち(=パウエルさんとプッチさんの)は同じ気持ちです。 私のボディスーツは、文化への感謝と世界の先住民族への賛美を表現しています」
ボディアートを始めたことで多くの仲間を得、また新しいチャンスの扉も開かれた。
「タトゥーが世界中で受け入れられつつある中、タトゥーを入れた人が出演する広告を出したい企業と、タトゥーを入れた人々をマッチングするイギリス拠点のベンチャー企業『INK Models International』のアンバサダーを務めています」
---fadeinPager---
パウエルさんのインスタグラムを見ると、彼が少しずつボディスーツを完成させていった過程が分かる。彫っている動画や、ピアスのクローズアップ写真を見ると「痛くないのだろうか?」と思わずにはいられないが、もちろんタトゥーもピアスも痛みを伴ってほどこすものだ。
---fadeinPager---
「もっとも痛かったタトゥー部位は、胸骨、乳首、肋骨、お尻のすぐ下の太もも部分、そして足の甲」
「もっとも痛かったピアスは乳首」
と本人は告白しているが、痛みを超えて、パウエルさんは大きな満足を感じている。
「痛みは一時的なものです」
「美しく、そして喜びの感覚は一生続きます」
「(ボディアートで自分の体を変えることで)日々、より自分らしくなれるのです」
パウエルさんのボディアートへの情熱は、インスタグラム(@septumdan)で確認できる。
【次ページ:動画で確認】背中にフック!? 空を飛ぶ67歳ボディアーティスト
---fadeinPager---