2020年に、ある女性がTikTokに投稿した動画が、再度メディアで話題になっている。ウェイトレスだったこの女性は、ベビーブーマー世代とZ世代の客が帰った後のそれぞれのテーブルの様子を比較。若者のほうが働く人へのリスペクトがあるとした彼女の意見に賛否両論が出て、大きな議論となっていた。
そのまま?片付ける? 世代間で差
一般にベビーブーマー世代とは、1946年~1964年の間に生まれた世代を指し、Z世代は、1990年代半ば~2000年代前半に生まれた世代を指す。ブーマー世代にとって、Z世代は怠け者かつ与えられるのが当然と思っている世代だという。一方Z世代は、ブーマー世代は心が狭く、情報に疎いと考えているらしい。
2020年のバズフィードの記事は、両世代の間にはずっと確執があると指摘するが、この長年の論争に油を注いだのが、当時ウェイトレスをしていたケイト・ブランドさんの投稿だ。投稿された映像には、食べ散らかしたまま去っていったブーマーたちのテーブルと、食べ残しを一つにまとめ、空いた皿を重ねて帰って行った、Z世代のテーブルが映っていた。
投稿の理由として、常に(他人からの)リスペクトを期待する年配者のテーブルの様子に、皮肉を感じたからとブランドさんは述べた。「いつもお客が皿を重ねてくれることを期待するわけではない、ただ私が言いたいのは、若い人たちの行動が素敵で助けになり、それに感謝しているということだけ」とバズフィードに話していた。
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仕事?マナー? 投稿に賛否両論
最近になり、ユニラッド、インディ100といったニュースメディアが、この動画が巻き起こした当時の論争を振り返っている。
動画のコメント欄には、「片付けるのがウェイトレスの仕事」「客がやらされるならあなたを雇う意味がない」「客が片付けをして彼女の仕事の負担を軽くしてあげないと、彼女がTikTokをやる時間がなくなるじゃないか」など、厳しい批判や意地悪な意見があった。
一方、コメントの中には、「レストランの仕事は薄給。忙しいときには手伝ってあげてもいいと思う」「いつも片付けてから帰る」「きれいにするのはマナーだと思う」など若者からの肯定的な声がかなりあった。
投稿は、プロ意識、礼儀正しさ、思いやりなどに関する議論を呼び、非常に盛り上がったが、ブランドさんの雇用者が激怒したため削除されていた。その後ブランドさんが新たな仕事を見つけて転職したため、現在では再投稿された動画が公開されている。
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働いても報われない…昔とは違う現実
昨年、勤労意欲のない若者の投稿映像が話題になり、ブーマー世代を中心に怠惰だと批判が出たこともあった。しかしそもそもそんなことが言えるのは、ブーマーたちに圧倒的な経済的優位性があるからだと主張する人も登場。ミュージシャンであるこの男性は、若い世代が週40時間以上の労働を地道に続けても、ブーマーたちが手にした広い家など、とても買えないのが現実だとしている。
若者が怒り、与えられて当然と思い、不平を口にするのは、働くのがいやだからではなく、働いてもそれに見合う報酬が得られないからだというこの男性の主張には、多くの賛同が集まっている。レストランで後片付けをする行動には、報われにくい仕事をする人への共感もありそうで、安定を手に入れたブーマー世代との違いの表れかもしれない。
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@katebrande “They get paid to do that” VS “we know restaurant life is hard, here, let us help you out”
♬ original sound - Kate
ベビーブーマー世代とZ世代の食後のテーブルを比較したブランドさんの投稿動画。「彼らはこれで収入を得ているVSレストランは大変だから手伝わせて」とキャプションがついている。
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@brielleybelly123 its that time of the month plus im crying ab missing my cat
♬ original sound - BRIELLE♉️
9時-5時の仕事がいやで涙し、怠惰だと話題になったZ世代のインフルエンサー。
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@robbiesmoonmusic if you get it, you get it. if you don’t, thank God for that. #capitalism #genz #millennial #boomer ♬ original sound - robbie scott
若者の現実はブーマーの時代とは違うと主張する男性。