スイス・ジュネーブで開幕した『ウォッチズ&ワンダーズ 2024』で、カルティエが数々の新作を発表した。今年掲げたキーワードは「魔法」。単にモノをつくるのではなく、マテリアルから唯一無二のクリエイションを紡ぎ出す魔術師的なコレクションは必見だ。
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「サントス」の名を冠したコレクションは、ルイ・カルティエが飛行家アルベルト・サントス゠デュモンのために、1904年に製作した初めてのモダンリストウォッチをルーツとする。それから120年目を迎えた今年、古典的名作でありながら時代の先端を走る新作が誕生した。
「サントス ドゥ カルティエ デュアルタイム」は、フォルムを崩すことなく6時位置のサブダイヤルとのコンビネーションで地球上の2地点の時刻を同時表示する。ローマ数字にレイルウェイインデックス、ロジウム仕上げの剣型針、そしてグレーのカウンター。抑えたトーンで演出されたエレガンスの完成度は極めて高い。ブレスレットとストラップはカルティエが特許を取得した「クイックスイッチ」システムで簡単に交換でき、メタルブレスレットは同じく特許取得の「スマートリンク」システムにより、工具を使わずにサイズを合わせができる。
微妙なニュアンスを秘めたカーネリアンのダイアルを、プラチナ製のケースが包み込む限定モデルの新作が「サントスデュモン リワインド」だ。華麗な外観の反面、独創的で革新的な創意を感じる。文字盤は見ての通り、数字の並び順が“反時計回り”。時分針も通常とは反対方向に後進するが、正確に時刻を表示している。サントス=デュモンのパイオニア精神を象徴するように、ケースバックにはこの伝説的飛行家のサインが順行と逆行方向にふたつ刻まれているのが象徴的だ。
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「リフレクション ドゥ カルティエ」は、幻想的でマジカルな仕掛けを施した、魅惑のブレスレットウォッチだ。バングル状の構造は閉じているのではなく、オープンブレスレットという斬新な構造。その断面の片方に宝石のような面取りを施したクリスタルを配する文字盤が置かれ、絶妙な角度で対面するもう一方の断面はなんと、鏡。現実と鏡像の時間が対峙する緊張感が、スノーセッティングとリバースセッティングを組み合わせたホワイトゴールド製のクリエイションを一段上のステージに昇華させている。世界的な時計ブランドであり宝石商であるカルティエの特徴、ウォッチとジュエリー両面での高度なサヴォアフェールが、一本の腕時計のなかで「時の神秘の表現」を可能にしているのだ。
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時計のコノシュア(目利き)が新作登場のたびに目の色を変える「カルティエプリヴェ」コレクション。その第8作目には、歴代カルティエ・ウォッチの中でも名品として名高い「トーチュ」が取り上げられた。1912年にオリジナルのルーツを持つ「トーチュ」は、その名が示す通り亀甲型のエレガントなフォルムが特徴。それを現代的に再解釈し、モノプッシャー クロノグラフ機構を搭載した。
モノプッシャー クロノグラフは1928年に初めて「トーチュ」に登場し1998年に「コレクション プリヴェ カルティエ パリ」 で再登場した歴史がある。ブルースチール製アップルハンド、 カウンターウエイトが丸くくり抜かれた秒針、文字盤の四隅を飾る三角形のモチーフといったディテールを、今回の新作にもそのまま採用。レイルウェイミニッツトラックはインデックスの外周に置かれ、ラグはストラップに沿って延長、シルエットはより細く、 華やかさと軽さを両立するアップデートが各所で施されている。
カルティエのクリエイションは、ウォッチメイキングの高い技術がそれだけで完結せずに、美しさと芸術性を両立させている。ジュエリーの純粋な美しさに、精緻なウォッチの神秘性を纏わせているのだ。今年発表のコレクションにかけられたのは、まさしくカルティエの「魔法」なのである。
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「ウォッチズ&ワンダーズ2024」現地の様子をお届け!
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カルティエ カスタマー サービスセンター
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