IWCは開幕中のウォッチズ&ワンダーズで「ポルトギーゼ」コレクションを一新した新作を発表。「ポルトギーゼ・オートマティック 42」「ポルトギーゼ・オートマティック 40」ではケースの構造を設計し直し、エレガントで洗練されたスタイルに。「ポルトギーゼ・クロノグラフ」には3つの新しいバージョンが登場した。共通の新色として、「ホライゾンブルー」「オブシディアン」「デューン」が初めてラインアップされている。
新色で魅力を増す、名作「ポルトギーゼ」のオーラ
IWCはスイス高級腕時計の世界でも、独自の立ち位置をとる孤高のブランドだ。創業以来の本拠を置く場所は経済の中心地チューリッヒの北側に位置する街、シャフハウゼン。概ねがライン川を隔ててドイツ領土となる国境線に面したこの地域で、川の北岸側に位置している。
スイスにあるほとんどの高級機械式時計ブランドが、ジュネーブに代表される西部のフランス語圏にあるのとは対照的だ。シャフハウゼンの地で育まれるIWCは、スイスにあるドイツ語圏最高の時計ブランドである。自前の時計学校で人材を育て、流行に振り回されることなく、独創的で高品質な腕時計をつくる。そのスタイルは日本をはじめ、腕時計を知り尽くした通に支持されてきた。
そのIWCがこの春、主力コレクションのひとつである「ポルトギーゼ」を大胆にアップデートした。「ポルトギーゼ」はそもそも1930年代後半に、高精度を求める顧客に応え、より精度の高い懐中時計ムーブメントを搭載した、大型なクロノメーター精度の腕時計にルーツを持つ。その頃から現在に至るまで、シンプルなケースとクリア文字盤は変わらない。アプライドのアラビア数字インデックス、リーフ針、レイルウェイ型のミニッツトラックも歴史を継承しながら、いまなお新鮮に映える普遍的デザインだ。
その味わいはそのままに、新作ではまずケース構造がほっそりとした側面にリファインされた。そしてボックス型のガラスがダブルで採用され、表面では新色と新しい仕上げの文字盤、シースルーのケースバック側ではIWC自社製ムーブメントへの視覚的アクセスは向上した。なお「ポルトギーゼ・オートマティック」の40mm、42mmモデルとも、防水性能が5気圧にアップしている点も見逃せない。
新登場の文字盤カラーはそれぞれ、シャフハウゼンの地における、昼と夜の永遠のサイクルにインスピレーションを得たものだ。「ホライゾンブルー」は昼間の青空と光のイメージ。「デューン」は黄昏時に向かう柔らかな昼光色、黒曜石を意味する「オブシディアン」は美しい夜空を想起させる。
これらの文字盤は、60以上の工程を経て生み出される非常に手の込んだものだ。真鍮ベースに放射状のサンバースト仕上げ、もしくはブラスト仕上げを施したベースに、15層ものラッカー塗布で着色する。さらに精密に研磨したハイグロス仕上げを重ねる。サブダイアルも真鍮ベースとラッカー層の両方を研磨し、特殊な工程によるプリント加工で深みを加え、アプライドインデックスは個別に手作業で植えられる。
シルバーメッキの文字盤も従来のガルバニック加工からラッカー仕上げに変更され、、早朝の空に浮かぶ銀色の月のような輝きを得た。またレイルウェイインデックスは以前のよりもくっきり入っている。「ポルトギーゼ・オートマティック」のパワーリザーブ・インディケーターでは、赤色の印字部分を廃し、ロゴの位置も多少上に移動させている。
伝統を踏まえた上でのアップデートとリファインが凝らされ、生まれ変わった「ポルトギーゼ・オートマティック」と「ポルトギーゼ・クロノグラフ」。定評ある名品の最新型には、人を惹きつけてやまない魅力がある。
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