VT(ブイティー)
CICA クリーム
Check Points
☑ジェル
☑敏感肌
☑バリア機能向上
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普段、メイクやスキンケアをしない男性にはあまり馴染みがないかと思うが、美容における韓国カルチャーはとても大きな影響力がある。以前からエステやアカスリなど、美容を目的に韓国へ旅行する女性は多かったが、周囲に「どんなコスメを使っているか」と聞くと、韓国メーカーの名が挙がる割合も高くなってきたように思う。K-POPの躍進や映画『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞を取った時にも韓国カルチャーの勢いを感じたが、スキンケアの世界でもそれは広がっている。若い世代ほど当然のように取り入れていて、その浸透ぶりに驚いてしまう中年の私である。
韓国のスキンケアで最もよく知られるのは、シカと呼ばれる製品。セリ科の植物ツボクサから抽出された「ツボクサエキス」を韓国では「シカ」と呼び、古くからやけどや傷の治療薬として使われてきた。こうした伝統をスキンケアに活かしたのがシカ製品だ。特徴的なのは緑色のパッケージ。ドラッグストアのスキンケアコーナーで緑色の容器を探せば、たいていシカ製品である。この伝わりやすい緑色戦略も功を奏し、大ヒットにつながったのではないか。
シカの代表と言えるVTの「CICA クリーム」は、なにしろ男性ユーザーにも大推薦のアイテム。ひげを剃った後の肌に使用すれば、ツボクサエキス効果でしっとり。クリームのテクスチャーはさっぱりとした使用感で、ベタつく感触が苦手な男性にも取り入れやすいだろう。カミソリ負けした肌も優しく保護して、潤いを保ちつつ落ち着かせてくれるのだ。また、香りのよさも嬉しいところ。初めて使った時、肌荒れをこれほどまでにソフトに包み込んでくれるのかと感動したものであった。肌の弱い人であれば、アフターシェーブローションの代わりにこのクリームを使うのもお薦めだ。
ひげ剃りの痛みで苦しむ男性をラクにしてあげたい、という私の願いに最も応えてくれるシカ製品、ぜひ試してほしい。
伊藤 聡
海外文学&映画ライター。40歳を過ぎてから美容に目覚める。著書『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました』(平凡社)が発売中。
※この記事はPen 2024年4月号より再編集した記事です。