MUNICH ミュンヘン/ドイツ

年明けのドイツ、特にミュンヘンは、フランツ・ベッケンバウアー死去のニュースで一色となった。ドイツ史上最強のサッカー選手としてバイエルン・ミュンヘンなどで活躍し、「カイザー(皇帝)」と崇められただけあって、葬儀には監督として1990年にW杯優勝を果たした時の選手をはじめ、現役の首相や大統領も参列した。
DFが攻撃に関わる「リベロ」というシステムを考案したり、70年のW杯では肩を脱臼してもゴールを決めドイツ中を熱狂の渦に巻き込んだりと、その功績は枚挙にいとまがない。2006年のドイツW杯における献金疑惑というスキャンダルにも見舞われたが、最終的には多くの国民に愛されたことが改めて示された。

※この記事はPen 2024年4月号より再編集した記事です。