各界で活躍する方々に、それぞれのオンとオフ、よい時間の過ごし方などについて聞く連載「My Relax Time」。第57回は、都市開発の構想策定を行う都市開発コンサルタントで、都市をテーマにしたマガジン『MEZZANINE』の編集長を務める吹田良平さんです
写真:殿村誠士 構成:舩越由実
私の仕事は「都市」が対象です。探求テーマでもあります。青森から出てきた田舎者なので、都市に対する憧れが小さい頃からあって、いまだに魅了され続けています。「都市」という言葉を分解すると、「都」は華のある場所、「市」はマーケットという意味です。アイデアやインスピレーション、発明などに満ちていて、しかもそれらが取り引きされるのが都市だと考えています。
豊かな都市には4つの要素が必要です。「機能が複合してること」、「街区の長さが短いこと」、「新しい建物と古い建物が混在すること」、「人口密度が高いこと」です。アメリカのポートランドに行った時、この4つの要素がすべてあると感じました。すっかり魅了されて、現地のいろいろな人にインタビューしながら知見を蓄えました。『MEZZANINE』という雑誌を発行していますが、テーマは建築ではなく都市です。建物と建物の間にある、都市の営みやダイナミズムが関心事なのです。
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東京の自由が丘は少し前まで「住んでみたい街ランキング」の1位でした。私自身も大好きな街ですが、いまでは単にショッピングをするために行く街という印象が強く、それだけでは物足りない。多様で文化的な刺激を与え、あるいは受け取る。少しずつでも自由が丘の街を変容していきたいと思い始めたのが、2023年10月にできた商業施設「JIYUGAOKA de aone」の屋上にあるテラス、「de aone TERRACE CLUB」でのイベントオーガナイズです。
最初に開催したのは、6年連続で世界幸福度ランキング1位となったフィンランドを体験するイベント「Finland Day」でした。集客や賑わいを狙ったのではなく、インスピレーションの波紋を広げることが目的ですから、人が自然に集まってもいいし、集まらなくてもいい。都市開発コンサルタントという仕事は構想を考えて終わり。でも、自分でも実際に動かないといけないと思ったのです。
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家族にわがままを言って、家の近所に借りたオフィスで寝泊まりをしています。ワークライフバランスとは言いますが、私の場合は「ワーク」と「ライフ」がシームレスで、地続きであるという感覚です。そんな仕事に一度ピリオドを打ちたい時は、たばこの存在が役に立ちます。
また、会議が続いたあとは、たばこを吸いたくなるものです。会議はどうしても固い雰囲気になるので、皮肉や洒落のひとつも言えない。だから“何か”を吐き出したくなる時は、たばこの煙に乗せるのです。深呼吸をする時、ほとんどの人はまず大きく息を吸い込みますが、実は逆がいい。息を吐くことで、自然と深く呼吸ができます。体内に取り入れたものを外に出すのは、気持ちのいいことですよね。汗をかくことも然り。吐き出すという行為は、普段から必要なことなのだと思います。
●WORKS
MEZZANINE
『MEZZANINE Vol.5 』TWO VIRGINS ¥2,200
de aone TERRACE CLUB
Instagram:@deaone_terraceclub
www.jti.co.jp