「コートシューズ」とは、文字通りテニスやバスケットボールなどのコートで履かれる競技用シューズのこと。トレンドがエレガンスに移行しつつあるファッションの足元には、上品な雰囲気を纏うコートシューズがよく馴染む。今春、ニューバランスがついに歴史の奥に眠っていた傑作コートシューズを復刻した。1982年に誕生した「T500」である。この大人顔の新定番を履きこなす3つのスタイルと、「T500」の秘められたストーリーをお届けする。
デイリーな「カジュアル」の足元に
まず提案したいのは、「T500」の上品なニュアンスが調和する、ベージュ系で全体のトーンを揃えた着こなし。デイリーなカジュアルファッションこそ、スポーティすぎないレトロ感あるコートシューズが映える。
今春発売した「T500」はこのナチュラルカラーのみ。色を絞り込んだ潔さも、ニューバランスの現代的で洗練されたイメージと重なり好感が持てる。
アッパーのメイン素材は、起毛されたヌバックレザー。汚れても魅力的にエイジングすることや、足馴染みのよさが本革の魅力だ。アッパーには通気性確保のための穴があり、足ムレから解放。履き口はクッション材入りで、足首のフィットをサポートする。クラシックな見た目からは意外に思えるほど、足が入れやすいのも特徴だ。
ヴィンテージのごとく褪色加工されたソールはラバーのカップソール。ソールは柔軟に曲がり、現代的仕様のカップインソールは足裏の形状に沿う。内側全体でソフトに足を包む構造は、さすがニューバランス品質だ。
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「ドレスシーン」の着崩しにも大活躍
ビジネスやドレッシーな服装が求められるシーンにスニーカーを持ち込む時、大人には外せないルールがある。それは品よく悪目立ちしないシューズを選ぶこと。足元を強調しすぎず、品格のあるコーディネートを目指そう。
「T500」は新品状態でもソールにヴィンテージ感があり、風合いがこなれている。古きアイビーファッションの時代には白ヌバックのホワイトバックスがリゾートスタイルの定番だったが、その気分で「T500」を革靴感覚で愉しむのも一興だ。
「T500」は1982年に誕生し、当時最新のテクノロジーを駆使した、画期的な履き心地のテニスシューズとして好評を得た。テニスブームの追い風を受けて、ランニング市場に強かったニューバランスも開発に乗り出したようだ。ちなみに当時「T500」と同様に好評だったバスケットボール用の「BB550」も近年、復刻されている。「T500」は1989年にいったん休止し、今回の復刻まで長い年月を要した。なおニューバランスには"廃盤"という概念がないようで、過去のどの製品も第一線に復帰する可能性があるという。
ニューバランスのコート系シューズは現在、日本以上にアメリカで人気を集めているそうだ。本国でのヒットの勢いが日本に流れてくるのも時間の問題だろう。
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「スポーティシック」は足元で落ち着きを
黒白のモノトーンを基軸に、腰に巻いたニットのグリーンをアクセントにしたクールなスポーティスタイル。「T500」のオフホワイトは温かみがあり、スポーティでありながらも落ち着いた印象を演出するのに一役買っている。サイドの「N」マークとポロシャツを白色で合わせるのが、さりげない着こなしテクニックだ。
「T500」は機能面でもスポーティな服と相性がいい。約40年前の復刻モデルでもクッション性は現代的で軽快だから、アクティブな気分にジャストフィットする。
「T500」は今年の3月14日(木)から、ニューバランスの直営店とECサイトで発売された。
今回紹介したカジュアルやドレス、スポーティなスタイルにはもちろん、モードにもクワイエットラグジュアリーにも、柔軟にイメージを変える。人の個性、服の個性を邪魔しないニュートラルなフットウエアだ。「ニューバランスにこんなモデルがあるのか!」という意外性で購入した人も、すぐ汎用性の高さと履き心地のよさに気づくはず。誰にとっても気づいたら手放せない、愛用品となるポテンシャルを秘めている。
ニューバランス ジャパン
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