「アルファード」とPenのコラボレーション企画第二弾、食材の生産地からダイニングまでの旅路を巡る「上州キュイジーヌ旅」が、2月某日に実施された。計3組6名のゲストを乗せて冬の群馬を走ったのは、トヨタが世界に誇る大空間高級サルーン「アルファード」の最上級グレード「Executive Lounge」。気高さすら感じさせるエレガントなエクステリアデザインと、考え抜かれたおもてなし装備が充実した後席の快適性は、シートに腰を下ろした瞬間から、ゲストをこれまでにない特別な体験へと没入させる。障子を開け閉めする日本特有の所作に着想を得たスライドドアがスッと閉じたら、贅沢さの本質と出会う、THE LUXURY JOURNEYの始まりだ。
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上州の旅はエテルナ高崎からスタート
旅の目的地となるのは、前橋市の名ホテル、白井屋ホテルのメインダイニングであるthe RESTAURANTだ。そこで供されるのは、シェフの片山ひろ氏がこの日のために考案したエクスクルーシブなコース。この特別なディナーを愉しむ前段として、「Executive Lounge」はゲストを食材が育まれる生産地へと案内していく。
近年では、サステイナビリティやエシカルの観点から、自分自身で探し求め、収穫した食材を一流シェフの調理で愉しむ「Foraging Luxury」や、地産地消のミニマルなサプライチェーンを目指す「Farm to Table」が注目されている。どちらもただ料理を食べて愉しむだけでなく、生産者の想いや、自然の豊かさ、さらには食べるということの意味にまで想いを巡らせることができる、新しい食体験として注目されている。
集合場所となったエテルナ高崎で「Executive Lounge」の後席に乗り込むと、ゲストはまず、空調、オーディオ、照明、サンシェード、シート機能などを一括で操作できる、手元のタッチディスプレイについて説明を受ける。直感的な操作でそれぞれの機能を試しながら、自分好みの設定を探していく時間も、旅の高揚感を徐々に高めていく。
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鳥山牧場で赤城牛、赤城和牛の育成現場を見学
高崎から関越自動車道を北上し、最初にゲストが訪れたのは、the RESTAURANTに自社ブランドの赤城牛と赤城和牛を卸す鳥山牧場。赤城山の麓に位置する昭和村で、種付けから育成、加工、流通、販売まで、一貫体制で管理しているこだわりの生産者だ。
鳥山牧場では、年間を通してほぼ毎日、子牛が誕生する。生まれたばかりの子牛と母牛が寝起きする牛舎を見学したゲストたちは、次に生後6ヶ月から12ヶ月までの半年間、育成が行われる牛舎へと足を進め、鳥山牧場の鳥山真代表から直接説明を受けた。
「黒毛和牛というと、どうしても脂ののった霜降り肉ばかりが注目されます。しかし、私たちは肉を噛みしめた時の濃厚な赤身の味わいと、上品な脂身のバランスを重視しているので、特に赤身の品質を左右するこの6ヶ月間の育成期間には、一番気を使っています」と、赤城牛と赤城和牛の特徴を説明する鳥山代表。
鳥山牧場では、育成期間に食べさせる飼料が牛の肉質に大きく影響を与えることを知り、独自に厳選した数種類の飼料を併用している。
「この飼料を見てもらえばすぐにわかると思いますが、うちの牧場では育成期間にお米を食べさせているんです。これは稲穂がついたままの稲を乳酸発酵させたもので、牛の腸内環境を整えてくれる効果があります。牛も人間と同じで、内臓の状態によって心身の健康が左右されるので、生きた乳酸菌の摂取は非常に大事なことなんです。もうひとつは、乾燥させたお味噌。こちらも発酵食品であることに加え、塩分が含まれている味噌を食べることによって牛たちは多くの水分を摂るようになり、結果としてまた、腸内環境の正常化に繋がっています。ほかには豆腐も食べさせていますが、これらはすべて、地元群馬で生産されたものです」
飼料用の米が生産される田んぼには鳥山牧場から出た糞尿でつくった堆肥が使われており、味噌や豆腐は廃棄処分されるものを譲り受けて使っている。このように鳥山牧場では約10年にわたり、地元群馬の生産業に循環のサイクルを生み出している。
鳥山牧場を特徴づけるもう一つのポイントとして挙げられたのは、血統と肉質の徹底したデータ管理だ。
「ここでは種付けから加工、販売までの工程をすべて自社で一貫して行っているので、血統と肉質に関する約7,000以上にもおよぶデータが蓄積されています。そのデータをもとに、私たちは常に安定した肉質を提供し続けることができるのです」
「安定」と言葉で言うのは簡単だが、生きものを扱う畜産業の世界において、その言葉を実現することは想像以上に難しいことだ。しかし鳥山牧場の一貫した生産体制と徹底したデータ管理は、品質にブレが生じる可能性を最小限に押さえ込むことに成功しているのだ。
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野菜の力強さを感じた、良農園での収穫体験
次にゲストが向かったのは、年間を通して100種類以上の野菜を露地栽培で生産する、前橋市の良(ヨシ)農園だ。土づくりからこだわり、化学肥料を使わずにゆっくりと育てた野菜は、どれも驚くほどに味が濃くて栄養価も高い。
ここではあまり市場には出回らない西洋野菜も豊富に栽培されており、the RESTAURANTのコース料理に鮮やかな彩りを添えている。伊能代表はゲストを畑に迎え、数種類の野菜の収穫体験を通して、自然の力で育った野菜の力強さや魅力を語った。
「普通のスーパーに売っている普通のケールは、苦くて硬いから生では食べづらいですが、化学肥料や農薬を使わずに育てたここのケールは、生で食べても柔らかくて、苦味もまったくありません。むしろ甘みがあって味わいや旨味も濃いので、子どもたちもモリモリ食べてくれます」
数種類の野菜を収穫した後は、良農園の事務所で採れたて野菜の試食体験も実施。さっと茹でたブロッコリーや、カロテンのほかにリコピンも豊富に含んだ人参ジュース、フライパンでしっかり焼き目をつけたリーキなど、素材の魅力を活かしたシンプルな野菜料理の数々に、ゲストたちは目を丸くしながら舌鼓を打った。自然の力が詰まった野菜を自らの手で収穫し、それをすぐに調理していただくという根源的な喜びに触れたゲストたちの顔には、キラキラとした生気がみなぎっていくように見えた。
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旅の締めくくりは、クリエイティブな雰囲気漂う白井屋ホテルで
鳥山牧場と良農園を巡ったゲストを乗せた「Executive Lounge」は、ついにディナー会場となる白井屋ホテルに到着。創業300年で廃業した白井屋旅館を建築家の藤本壮介氏が改装、新築設計を手がけ、クリエイターたちの手で新たに具現化したアートデスティネーションと評されるこのイノベーティブなホテルには、新旧二つの建物の内外にさまざまなアート作品が点在している。牧場や農園で触れた自然の営みと、モダンな空間で触れるコンテンポラリーなアート作品とのコントラストに、ゲストたちの感性はさらに刺激されていく。
そしていよいよ、この「上州キュイジーヌ旅」のクライマックスを飾るのは、白井屋ホテルのメインダイニング、the RESTAURANTで毎晩1組2名のゲストを迎えて供される、エクスクルーシブなディナー体験だ。日暮れとともに始まった片山シェフの品格漂うおもてなしは、厳かに、そして和やかに、ゲストの旅の疲れと緊張をゆっくりと解きほぐしていく。
自らも群馬県で生まれ育った原体験と、その後一流レストランで培ったフレンチの技法や表現を掛け合わせていくことで、ここでしか味わえない「上州キュイジーヌ」を具現化していく片山シェフ。上州の郷土料理である煮込み麺料理の「おきりこみ」は、その構成要素を因数分解した上で、こんにゃく、大根、人参などの具材をすべて角切りにし、そこにネギオイル、唐辛子オイル、昆布オイルを纏わせ、さらに昆布だしとコンソメを合わせたスープの中で、ピューレ状にしたうどんと絡めていただく。ソウルフードの「焼きまんじゅう」は、味噌風味で仕立てたブリュレへと姿を変えた。
上品な華やかさやモダンなエッセンスが際立つプレートの上で、その味わいの中核となる部分に、誰もが郷愁を覚えるような素朴さを据える片山シェフの「上州キュイジーヌ」。地元の食材や文化との出会いが違和感なく身体の奥底にまでに染み込んでいくのと同時に、それはただの懐かしさではなく、まったく新しい美食の体験であることにも気づかされる。
メインに先立つ6品目のメニューとして出されたのは、「良農園」と名付けられた野菜の一皿。生、ボイル、ソテーと、それぞれ素材の個性を引き出すための最小限の仕事が施された、リーキ、ケール、菜の花、スティックセニョール、紅芯大根など、良農園で収穫されたばかりの新鮮な野菜がシンプルに盛り付けられた。
調理の過程で出た端材は、ドレッセの際に野菜と絡めるブイヨン・ド・レギュームに使われるほか、カラフルな乾燥パウダーとして皿の上に彩りを添えており、一皿で自然の恵みを余すところなく愉しめる仕立てとなっている。
噛むごとに野菜の力強さや生命力が溢れ出てくるような味わいに、先ほど訪れた良農園の畑の風景が、鮮やかに蘇ってくる。
そしてこの日のメインとして登場したのが、鳥山牧場で育てられた赤城和牛を使った一皿。ほどよく火入れした後に軽く藁焼きを施し薫香を纏わせたサーロインは、その香ばしさとも相性のいい味噌風味のリゾットと共に供された。サーロインとはいえ、肉を噛みしめた時に感じられるのは、赤身の味わい深さと、脂身とのバランスの良さだ。稲藁、米、味噌という、鳥山牧場の牛たちが育つ環境と、その周囲で循環する上州のテロワールをまるごと切り取ったような取り合わせは、「上州キュイジーヌ」という解を導き出すための、最も合理的な方程式ともいえるだろう。
今回の旅を通して、いま目の前に置かれた食材の裏側に広がる数々のストーリーを目の当たりにしてきたゲストは、生産者たちの思いや、自然の恵みに対する感謝を込めながら、ひと口、またひと口と、心ゆくまでラグジュアリーな食体験を堪能した。
メインの後に出されたデザートは、片山シェフの粋な計らいで、今回の旅の伴侶となったアルファード「Executive Lounge」のカラーリング「プレシャスレオブロンド」にオマージュを込めたドレッセで提供された。最後のひと口まで、旅の余韻にゆったりと浸れるFarm to Tableのダイニングは、こうして和やかな雰囲気の中で幕を閉じた。
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それぞれが持ち帰る、上州の旅の思い出
旅の出発地である高崎へと戻ってきたゲストには、ここでPenからささやかなギフトが贈られた。いつもの日常生活に戻った後にも、またふとした時に、上州の旅路と豊かな食体験の思い出をゆっくりと楽しんで欲しい。そんな想いから、the RESTAURANTでも使われている、前橋市の陶芸工房デラシネファクトリーの食器が手渡された。
冬の群馬を縦断した上州キュイジーヌ旅を終えて、ゲストの口からは、「生産者やシェフの食材に込めるそれぞれのこだわりや思い、そして熱意が伝わり、食に対する気持ちが一層高まった」「咀嚼とともに滲み出す甘美な味とともに生産者たちの熱い思いが甦り、それが愛だと気づいた時、涙が出そうになった」などの言葉が聞かれた。畑からテーブルまで、普段はなかなか目にすることも、また、きっかけがないと意識することもないような生産現場を見てきたことで、生産者の思い、自然の豊かさ、食べるという行為の意味にまで想いを巡らせる、Farm to Table体験の真髄を味わってもらえたのではないだろうか。
中には、野菜や肉牛の生産者だけでなく、今回の旅を共にしてきたアルファード「Executive Lounge」が生まれた背景にも、同じように想いを巡らせていくゲストもいた。それがたとえ工業製品だったとしても、デザイナー、エンジニア、生産ラインも含め、ものを生み出す人とその行為の裏には、やはり並々ならぬ努力や熱意、そして愛情が込められている。そう考えると、類まれな遮音性、品格漂う堂々としたエクステリアデザイン、さまざまなおもてなし装備が叶える快適さなど、「Executive Lounge」を特徴づける一つひとつの要素が、さらに味わい深く、愛おしくすら感じられてくる。それぞれが新しい食体験を通して、小さな気付きの種を持ち帰った今回の「上州キュイジーヌ旅」。これからも、THE LUXURY JOURNEYは続いていく。
『トヨタ アルファード』
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