先日行われたNYファッションウィーク。一足早く2024年秋冬のコレクションが披露された中、異彩を放っていたのが、服ではなく「テープでからだを覆う」コンセプト。このプロジェクトを始めた人物は“キング・オブ・テープ”と呼ばれ、アメリカンドリームを実現した男だ。
テープをファッションに変えた芸術的プロジェクト
その名も「ブラック・テープ・プロジェクト」。キューバ系アメリカ人であるジョエル・アルバレスが、2014年に立ち上げたプロジェクトだ。ネーミングの通り、モデルのからだを覆うのは、ブラックをはじめ、ゴールドやネオングリーン、ベイビーピンクなどの色とりどりのテープのみ。バストトップやアンダーなどを、デザイン性高くテープで覆い、一見すると新種のファッションや水着を身にまとっているように見える。
テープの色や角度、貼り方を変えるだけで、巧みに、かつ芸術的に魅せる彼の作品は、NYファッションウィークのみならず、これまでにも、マイアミ、シンガポールなどでも登場。カンヌ映画祭でショーを行ったこともあり、世界を席巻してきたのだ。
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“半ホームレス生活”からの逆転劇
今でこそ世界的なファッションショーに名を連ねている「ブラック・テープ・プロジェクト」だが、創業者のジョエルの人生は、決して華やかなものではなかった。
マイアミで生まれ育った彼は、かつては携帯電話を失くし、車の中で半ホームレス生活を送っていたという。また大半の家族を亡くし、ようやく住んだ家の屋根には電子レンジほどの大きな穴が開いていた。その穴から夜空を見上げては、自分の人生を悲しみ、涙にくれていたという。
しかし、あるとき自身を落ち着かせようと寝室の掃除を始めたところ、亡くなった祖父が隠していた2万6000ドル(約390万円)の現金を見つけた。それを使い、抱えていた借金の返済にあて、最後に残った1500ドルでキャノンのカメラを購入。近所のものの撮影を始めたのだ。やがて、彼の写真が地元の雑誌に掲載されるようになり、あるとき、1人のモデルがテープを貼って自身の撮影をしてほしいと彼に依頼した。それが、彼がテーププロジェクトを始めたきっかけだ。
元ミス・プエルトリコのからだにテープを貼った動画をSNSに投稿すると、一晩で1000万回以上も再生され、電話やメールが殺到。彼の人生は急展開していったそうだ。
その後の彼の活躍は、世界的なファッションショーにも呼ばれるなど、周知のとおり。まさにテープひとつで、アメリカンドリームを掴んだ人物。彼の今後の活躍にも、目が離せそうにない。
【出典】
https://bnnbreaking.com/lifestyle/fashion/the-king-of-tape-joel-alvarez-dazzles-at-nyfw-with-bold-black-tape-designs
https://www.blacktapeproject.com/
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