日本人のライフスタイルにおいても馴染みのある「古着」。私たちが衣服を手放したあと、その最終的な行き先をご存知だろうか。
実は先進国で消費された大量の古着は、アジアやアフリカの国々へと輸出されている。なかでもケニアはアフリカ最大の古着輸入国であり、古着の最終処分場となっている。一見、衣類のリサイクルをポジティブにとらえたくもなるが、しかし、この流れがアフリカの環境や産業に悪影響を及ぼしているという事実はあまり知られていないのではないだろうか。
そんな「アフリカと古着」をテーマにした展覧会、『服のおわりから問う - 古着の墓場ケニアからスラムの視点を交えて考える』が、2月22日(木)まで東京都・虎ノ門のソーシャルイシューギャラリー「SIGNAL」で開催されている。アフリカを支援するファッションブランドのSHIFT 80が主催となり、実際の問題をひも解く展示をはじめ、ケニア現地で制作した古着アップサイクルコレクション、ケニアの巨大スラム街・キベラの若者とコラボレーションした写真や映像作品を展示・販売する。写真作品の売上金額のほとんどはスラムで暮らす子どもの教育や生活支援に活用されるという。
また会期中には、エシカルや持続可能性、アフリカの課題をテーマに専門家や活動家をゲストに迎えたトークセッションや、オンライン・キベラガイドツアーなどの体験イベントも規定の日程で開催される。
遠いアフリカの地で広がっている複雑な問題のようでありながら、私たちが毎日着ている服についての身近な問題でもある。これをきっかけに、過剰な大量生産・大量廃棄が引き起こす社会問題を、自分事として考えてみる機会となるだろう。
『服のおわりから問う - 古着の墓場ケニアからスラムの視点を交えて考える』
開催期間:2024年1月23日(火)〜2月22日(木)
開催場所:ソーシャルイシューギャラリー「SIGNAL」
休館日:日、月、祝
入場無料
https://shift80.jp/blogs/news/signal2024