たった500円で買った花瓶が、約1,500万円の価値になるなんて夢にも思わないだろうーー。アメリカ・バージニア州で、ある女性がリサイクルショップで購入したカラフルな花瓶が、実はイタリアで最も希少な美術品のひとつだったことが判明。オークションで1,500万円以上で落札された。
一目惚れした500円の花瓶は、貴重なイタリア製のコレクション
「とても美しかったんです。一目惚れしました」そう話すのは、バージニア州の牧場でポニーを飼育するジェシカ・ヴィンセントさん。彼女は、地元のリサイクルショップ「グッドウィル」を何気なく物色していたとき、ある花瓶が目に留まったという。
「手にした瞬間、宝石を見つけたと思った」と彼女が語ったその花瓶は、約13インチほどのワインレッドとグリーンのブラシストロークに包まれたもの。筆で描かれたようなデザインは、グラスの中で渦を巻いている模様があるという。また、ガラスの底にはムラーノ島のベネチアンガラスで作られたことを示す "ムラーノ・イタリア "のマークが記されており、価値を感じた彼女は3.99ドルで購入。その後、Facebookに花瓶の写真を投稿した。
するとガラス愛好家たちは、この花瓶がベネチアの影響力のある建築家カルロ・スカルパさんが制作したものだと突き止めた。さらに、この花瓶はムラーノ島にある100年の歴史を持つガラス工房「ヴェニーニ」のために、デザインした1940年代の「Pennellateシリーズ(*筆を使った作品)」の一部であり、非常に貴重なものだという。
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「驚きを隠せない」とオークションCEO
あるFacebookのユーザーはこの花瓶に1万ドルを出すと彼女に提案。しかし、多くのユーザーからニューヨークのライト・オークション・ハウスへ出品することを勧められたため、彼女はオークションにかけることを決めたという。この作品は12月13日にオークションにかけられ、約400万円から約700万円の値がつくと見積もられていたが、最終的に1,577万円で落札された。
オークションハウスの創設者であるリチャード・ライトさんはCBCの取材に対し、「この非常に洗練されたガラスがヴァージニアに渡ったのは驚くべき話です。高価なもので、大量生産されたものでもなく...しかも欠けずにリサイクルショップに隠れていたのです」と驚きを表した。また、ヴィンセントさんは花瓶があるべき場所に飾られることに喜びを表し、オークションで得たお金の使い道についてCBCの取材に答えている。
「オークションで数字がどんどん上がっていくのを見た時は信じられませんでした。また、この花瓶が安全で十分に鑑賞できる場所に贈られてとてもうれしいです。1930年代の私の小さな農家では展示することができないですから…私の夢は、冷暖房のような空調設備と食器洗い機を手に入れることです。このお金で、現在2台のヒーターで暖をとっている農家をリフォームしたいと思います」
さらに「ほとんどの人にとっては大したことではなくても、私にとっては本当に大きなことなのです」と続けた。
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