国際宇宙ステーション(ISS)で大切に育てられていた“トマト”。ある日、突如として消えたが、8ヶ月以上たったある日、無事に発見された。この事件が、いま話題を呼んでいるのだ。
トマト泥棒の容疑が晴れた、ある宇宙飛行士の話
アメリカの宇宙飛行士のフランシスコ・フランク・ルビオさんは、ISS内で農業実験の一環として微小重力下で種からトマトを育てていたが、8ヶ月以上前にその果実が不可解な形で姿を消し「彼がトマトを食べたんだろう」と非難されていた。しかし12月上旬、7人のクルーが軌道上基地の25周年を祝うライブストリーミングで、その小さなトマトが発見されたことが語られたのだ。
「我々の親友フランク・ルビオは、トマトを食べたことで長い間責められてきました。しかし、我々は彼の容疑を晴らすことができます。私たちはトマトを見つけたのです」とNASAの宇宙飛行士ジャスミン・モグベリさんは語った。
彼女は、高さ356フィートの宇宙ステーションのどこにトマトがあったのか、またどのような状態だったのか明言しなかったが、公開された写真には、幅1インチ(約2.5センチメートル)ほどの乾燥して小さくなっているトマトが映し出されていた。
---fadeinPager---
トマト探しに20時間!? 取材で語られた驚きの事実とは
ルビオ宇宙飛行士はアメリカ陸軍中佐で、アメリカ史上最多の371日間を宇宙で過ごした後、9月27日に地球に帰還。着陸後の取材で、彼はトマトの紛失を嘆き「自分は永遠にトマト泥棒の烙印を押されるのではないか」と恐れていたという。
「収穫作業中に消えてしまったトマトを探すのに20時間も費やしたんだ。マジックテープで留めるべき場所に留めたんだけど、戻ってきたら無くなっていたんだ」と記者団に語っている。彼のトマトの紛失が報告されると「どうして食べたんだ」と同僚やSNSでもジョークも混ぜた非難を浴びていたルビオ宇宙飛行士。「きっと何年か後に現れて、私の無実を証明してくれるだろう」と以前話していたが彼はやっと容疑を晴らすことができた。
このトマトが含まれていたプロジェクトは、正式名称を「Veg-05」といい、「ISSの食糧システムを補完するためのサラダ作物の生産性、栄養価、受容性」を調査するものである。ISSによると、“ルビオ・トマト”は、Veg-05プロジェクト期間中に宇宙で発芽させ、完熟まで成長させることに成功したうちの1つであるという。
---fadeinPager---
---fadeinPager---