子どもたちの為のおもちゃを積んだソリで、トナカイとともに街にやってくるサンタクロース。しかし「水の都」イタリア・ベネチアでは一味違う。約100人のサンタクロースがソリの代わりに“ゴンドラ”で街に登場。ベネチアに喜びと魔法をもたらした。
白い髭に赤いスーツのサンタ100人が、ゴンドラで登場
ベネチアの大運河で第11回目となるゴンドラレース「サンタクロース・ヴァレサーナ・レガッタ」が12月17日に開催された。人々は、サンタクロースや、サンタクロースと一緒に住んでいるとされる妖精、エルフのコスチュームを身にまとい、ゴンドラに乗り込んだ。
ベネチアでは毎年120以上のレガッタ(大運河で行われる儀式のパレード)が開催され、あらゆる機会や重要な日をゴンドラレースの合図としている。なかでもクリスマス・レガッタは、10年以上続く伝統行事だ。ベネチアを象徴するサン・マルコ広場から出航したこのクリスマス・レガレッタでは、老若男女問わず、クリスマスモチーフのゴンドラに乗り組み、優勝を目指す。イベントの後には、優勝者と参加者を称える華やかなお祝い行事が行われるという。
SNSに投稿された動画には、サンタの赤いスーツに白い髭をつけた人々がボートに乗り込み、必死でオールを漕いでいる。美しい運河に大量のサンタを乗せたボートが浮かぶ光景は、なかなか見ることができない特別なものだ。また、人々の目的はそれぞれ違うように見え、全力で優勝を目指しオールを漕ぐサンタもいれば、優雅に観客に手を振るサンタも見られた。
SNSでは「やっぱり水の都だから、サンタもゴンドラで登場なのね笑」「なんか可愛いんだけど」「私も参加したい!」というコメントが寄せられている。
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イベントにも全力!ベネチアならではの問題も...
水の上では、約100人のサンタクロースがゴンドラに乗って現れる一方、陸上では1000人以上のサンタクロースがベネチアの狭い通りを勇壮に駆け抜けるレースが度々行われている。そのため、クリスマスの時期になると、あらゆる年齢層のサンタがクリスマスを祝うために、世界中からベネチアにやってくるそうだ。街全体がイベント事に全力で取り組み、楽しむ姿はとても微笑ましい。
しかし現在、ベネチアは深刻な「オーバーツーリズム」の問題に悩まされており、来春から観光客の抑制策として、日帰り客を対象に入場料徴収する対策が行われる。街全体が美しく、このような様々なイベントが多く行われるスポットならではの問題ではないだろうか。市によると、オーバーツーリズムにより観光客が増えた影響で、住民がいなくなった家を宿泊施設として貸し出し、観光客がその穴を埋めている状態だという。国は「ベネチアがテーマパークになってしまう」と危機を訴えている。
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