科学者グループが、ザトウクジラと世界初の会話に成功した。この研究成果が、宇宙人とのコミュニケーションの助けになる可能性があると考えている。NY POSTなどが報じた。
学術誌『PeerJ』に掲載されたこの研究は、カリフォルニア大学デービス校、アラスカ・ホエール財団、地球外知的生命体を探査するSETI研究所の科学者たちがチームで取り組んできた。
SETI研究所のプレスリリースによると、科学者たちはアラスカ沖でボートを走らせ、あらかじめ録音しておいた「コンタクトコール」と呼ばれるクジラの挨拶信号を海に向かって鳴らし、クジラが反応するかどうかを確かめた。
「クジラはコンタクトコールを使って他のクジラを呼び寄せたり、お互いの居場所を知らせたりします」と、主執筆者であるカリフォルニア大学デービス校獣医学部のブレンダ・マッコーワン教授は、Business Insiderに説明した。
---fadeinPager---
初めて “ザトウクジラの言葉で” 会話
コンタクトコールの呼びかけに対し、「トウェイン」と名付けられたザトウクジラが研究チームのボートの周りを回り、会話形式で返答したという。
科学者たちは同じコンタクトコールを20分間に渡って36回発した。間隔を変えながら発すると、トウェインはそのたびにその間隔に合わせて反応した。つまり、科学者たちが10秒待ってからトウェインに呼びかけると、トウェインも10秒待ってから返事をしたそうだ。「このような間隔の一致は、トウェインが意図的なやりとりをしていたことを示唆しています」とマッコーワン教授は語る。「これは、人間とザトウクジラが、“ザトウクジラの言葉“で 交わされた初めてのコミュニケーションだと考えています」
---fadeinPager---
異星人とのコミュニケーションに繋がる?
SETI研究所の主任研究員で、この論文の共著者であるローランス・ドイル氏は、「トウェインの行動は、知的エイリアンが人類にコンタクトする方法に似ている可能性があります」と言う。「地球外知的生命体との対話では、おそらく地球外知的生命体が人間の受信機に興味をしめすだろうと仮定しています」
ドイル氏のチームは、クジラや動物の専門家と協力して、地球外知的生命体の探索を助ける知的フィルターを作ろうとしている。地球外生命体が人間とコミュニケーションをとろうとした時に、この知的フィルターによって宇宙のシグナルを識別し、異星人とファーストコンタクトできる可能性があると語る。「地球には多様な知的生命が存在します。それらを研究することで、異星人の知性がどのようなものかをより理解することができます」
科学者たちは、イルカなどの他の哺乳類や、協力して狩りをする肉食動物、ミーアキャットやゾウのような社会性の高い動物など、地球上の他の知的動物についても同様の研究ができると考えているという。
アラスカ・ホエール財団の共著者で主任研究員のフレッド・シャープ氏は、「この研究は国立海洋漁業局の許可を得て行われたものであり、個人ではコンタクトコールを絶対に試さないでください」と強調した。
SNS上では、「何かの映画でそんな話があった」「これはスタートレックIV『故郷への長い道』と同じだね!」「スタートレックが本当だったということか」「地球外生命体とのコミュニケーションが現実になるのかしら…」という声がある。
---fadeinPager---
Scientific breakthrough of human-to-whale conversation could lead to alien contact https://t.co/ihdr1oFD0A pic.twitter.com/BrkHWBi9l4
— New York Post (@nypost) December 20, 2023
---fadeinPager---
https://t.co/kXSsDgVszf @scidotnews
— The SETI Institute (@SETIInstitute) December 20, 2023
The Whale-SETI team has been studying humpback whale (Megaptera novaeangliae) communication systems in an effort to develop intelligence filters for the search for extraterrestrial intelligence.
---fadeinPager---